高校の英語の授業を英語で行うこと

英語教育
高等学校新学習指導要領ってどう考えても無理がある。

高等学校新学習指導要領って聞いたことがありますか?

平成23年度に小学校、24年度には中学校で新学習指導要領が全面実施され、25年度より高等学校で実施。外国語科では、授業は英語で行うことを基本とする、とされ、一部の私立高校で実施されています。

想像してください。日本の普通の英語教育で中学校を卒業し、それをベースに英語だけで高校の英語の授業を受ける。どう思いますか?

とても画期的な試みと思う反面、高校の実際の現場を知らない勝手なお役人の高望みと思うんですよね。

高等学校新学習指導要領ってどう考えても無理がある。
高等学校新学習指導要領ってどう考えても無理がある。

 

高等学校新学習指導要領のビフォー・アフターです。

ビフォー アフター
英語Ⅰ コミュニケーション英語基礎
英語Ⅱ コミュニケーション英語Ⅰ
オーラルコミュニケーションI コミュニケーション英語Ⅱ
オーラルコミュニケーションⅡ コミュニケーション英語Ⅲ
リーディング 英語会話
ライティング 英語表現Ⅰ
英語表現Ⅱ

 

いかがでしょうか?

コミュニケーションという単元が多くないですか?

日本語で対人関係において適切な「コミュニケーション」のベースを知らないのに、英語でどうやって「コミュニケーション」を教えるんですか?と言いたい!・・・

だって、アメリカの大学の専攻でコミュニケーション科があるんですよ!

高校の英語の授業で行っている内容は学校によって異なるようですが、ある高校は中学校の内容と同等レベルの教科書、もしくはさらに内容を薄めた内容の教科書を使い、生徒の理解力に合わせているところもあれば、コミュニケーションといいながら、会話練習よりも文法、日本語での解説重視で、昔から変わらない指導しています。

現場の英語の先生を責めているわけではないことを、ご理解ください!

だって日本の政府が定めたカリキュラムにそって現場の先生たちは指導しても、授業を受ける生徒が理解できないならば、現場の先生たちと生徒が苦しむだけです。

「英語で授業を進める」前に、まずはやることがあるのではないのでしょうか?

それは、英語授業の義務教育を中学、高校で廃止すること。無理に英語を教えることはないのです。

今の教育システム、カリキュラムでは無理があるし、勉強した割に目に見えた成果は、一部の学校、もしくは一部の生徒しか見えません。

英語で英語を理解できるようになるまで、本当に時間がかかります。

例えば、talk、 tell、 say、 speakの違いを英語で口頭説明されて理解できる自信がありますか?

英語で理解ができるようになるためには、感覚で理解する能力、正しい英語を理解する、正確な英語を知る、伝わる・伝える英語を知る、日本語と英語の違い、文法的な違いを知ることが必要です。今のシステムの中学3年間で必要十分でしょうか?

さらに学校では、各個人の英語のコミュニケーション能力を採点すること、グレードを付けることが必要となります。それ自体無理があるでしょう?

コミュニケーション能力をどうやって採点するの?と言いたい!

痛い!日本の英語教育をもう私たちは目を覚ましてもいいと思います。

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安田 英承

1970年、日本国生まれ。「セシル」代表。英会話スクール、留学斡旋、翻訳・通訳業務、日本語教室運営を名古屋中心に行っている。韓国人と日本人のハーフで、妻はアメリカ人。1児の父。ハーレーとアメ車好き。 別アカTwitterで「ハーレー英会話」してます。

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