あなたは英語について、「きれいな発音」とか「ネイティブみたいな発音」を気にしていますか?
訛りのある英語を話す、セシルの安田です。
私が中学、高校の時、英語の授業で、英語の発音や訛りについて気にしたことはなかったけど、当時の英語担当の先生の発音がとてもユニークだったのは今でも覚えています。
例えば、「impossible」の発音をされていても、最初聞いた時はさっぱり理解できなかったし、その単語の発音記号を見て確認しても、その先生の発音はどう考えても発音記号通りに発音されていませんでした。でも、その先生は「これがふつうの発音だよ」みたいに、講義をされていました。当時の私にとって、「そんなもんか・・・」みたいに、それほど英語の発音に関して気に留めませんでした。でも一部の生徒はその先生の発音を真似して茶化していたけどね。
「ふつう」とか「標準」の発音と比較したときに、「違い」を感じると、ものすごい敏感になるんだな、と思った。
この英語の先生の発音や一般的日本人が話す英語が、「日本人特有の訛り」とか「日本語的発音の英語」とかで表現し、なにかとても訛りのある英語をダメみたいに考える風潮が英会話スクールや英語関連事業をしている会社、また日本の英語教育にも蔓延しているような気がします。日本人の話す英語がダメみたいに・・・・。
そこで一つ、しっかりと定義したいこと。「訛り」とはなんでしょうか?
訛り(なまり)とは:ある地方特有の発音。標準語・共通語とは異なった発音。そして標準語と異なるアクセントやイントネーション、発声法などのこと。(違いがわかる辞典:参照)
地方特有であれば、「方言」はなんでしょうか?
方言(ほうげん)とは:共通語に対して、ある特定の地域だけで使用される言葉をさす。
例えば、名古屋で「えらい」と言ったら、「疲れた」を意味します。でも共通語の「えらい」は「りっぱ」とかの意味ですよね。これは、名古屋地域で使用されている言葉だから、方言になります。訛りがあるとは言いません。
小さな日本でさえ、地方によって方言や訛りがあるように、世界中で話されている英語について、方言や訛りがあっても当然です。
さてここで、英語の共通語、標準語は、どこの国で使われている英語のことでしょうか?英語発祥の地、イギリスでしょうか?しかしイギリス国内でも地方によって、方言や訛りがあります。どこの地方の英語が標準英語でしょうか?それともアメリカ?カナダ?オーストラリアでしょうか?
私は、日本人の話す英語が日本人にとっての標準語的英語でもいいかな、と思っています。
カタカナはりっぱな「英語の方言」
例えば、「カタカナ」。これって、りっぱな「方言」だと思いませんか?外国語を表記するときにカタカナにしますよね。
アメリカ人の義理の兄弟と日本語で、「インフルエンザの流行」の話をして、私が「ウイルス」、「ウイルス」と会話中何回か、使っていると、彼が「ウィルスって、なにか新しいvirusか?」と質問してきました。
英語のvirusを日本語では「ウィルス」と発音することを彼は知りませんでした。これは、「ウィルス」という単語自体がすでに英語ではなく、日本語化したカタカナ英語で、彼のようなアメリカ人には、まったくカタカナ英語は通じない。
英会話初心者にとってまず知っておくべきことは、「カタカナ」をそのまま英語として発音してもまず通じません。意味は同じでも、日本語を外国人に話しているみたいなものなのです。いくら英語由来のカタカナでも、一度日本語のフィルターに通されると、もう英語ではなく、日本語なのです。だからその違いをしっかりと学習、知っておくべきです。
日本人が話す英語の訛りについても、誤解があるような気がします。先の訛りの定義から、標準語と異なるアクセントやイントネーション、発声法などがあると、カタカナを基本とした発音の仕方、英語の読み方では、たとえ英語を話しているつもりでも、まったく違う言語を話しているように外国人には聞こえる原因が一つあります。
おそらく、日本人は読み書きを基本に、単語の綴りの練習、暗記するために、英語の本来の発音を「ローマ字読み」に変換して暗記した経験がある人が多いと思う。
「綴りを暗記」するためにはいいと思うけど、会話ではまったく邪道。ローマ字読みは外国人が日本語をわかりやすくするために本来作られたものなので、日本人が外国語をわかりやすくしたものではない。
そして日本語には、ほぼすべてに「子音と母音」のセットで発音されていますよね。たとえば、英語の[dog]を読むと、「ドッグ」と日本語で発音して、「ぐ」の発音は「子音のgと母音のu」となります。でも英語は、この[g]は子音だけで発音されるんだけど、日本人はそれを知らないと自然に母音を勝手につけて発音してしまいます。その時点でもう英語ではないのです。これを「訛り」とは言わないでしょうね。
違う英語になっているのです。「dog」と「ドッグ」。
だって、日本人にとって、母音をつけた話したり、読んだ方が、聞き心地と喋り心地がいいですからね。日本語に近い英語の音になるわけです。
でも今度それを発音すると、通じない。
日本語に近い発音に変換された時点で、すでに違う言語になっていて、さらに英語でもない言語になっています。アクセントやイントネーションもすでに日本語化しているわけです。
だからそれを外国人に発音しても通じない。これを訛りというのか?と疑問に思うわけです。日本人同士が話す英語であれば、「お互いにとって聞きやすい英語!」として認知されるかもしれませんね。
あと、初心者が知っておくことは、英語には日本語にはない発音の仕方があること。たとえば、[r]、[l]、[th]などなど。普段に日本語話すときに絶対しないような口の動き、舌の位置、息の出し方があるのです。
これも初心者が知らないだけ。
なんか訛りってあってないようなもの?!ではないのかなと思う。では、何ももって私が冒頭で、「訛りのある英語を話す」といっているのは、アメリカ西部の日系アメリカ人が話す英語を標準と仮定して私の話す英語と比較すると、違いがあり、アクセントやイントネーション、発声法に関しても違うところがあるのです。
でも英語が通じなかったり、相手に聞きづらいと思われたことは今のところ経験がないな〜。
英語を習得することは難しいです。でも英語と日本語の違いを認識して、練習さえすれば、たとえ英語の方言である「カタカナ」を英語と思って外国人に話しても、その場の空気を読めば、「話した英語が通じてないな!」と気づけばいいだけです。そして通じたかどうか確認の質問さえできれば、「どえらい」英会話になると思うのです。
まとめとして、以下の3点を知ってトレーニングすると英語が通じやすくなります。
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子音だけで英語は発音することがある
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カタカナの英語はそれを発音しても、通じない場合がほとんどである
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日本語にはない英語の発音がある
「きれいに聞こえる英語」を気にするより、あなたの話す英語の「内容」の方がもっと重要なのは言うまでもないですね!
Good luck!
安田 英承
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