私の理想の英会話授業

英語教育
校長と校庭

私が英会話指導を担当することになってから、他のベテラン講師の指導を見様見真似、また私が学生時の先生たちの授業にアレンジを加えたり、いろいろな勉強会に通って指導方法を身につけていました。

でも自分の指導法って、なんか違うなって思いがず〜と消えなかった。

10年ぐらい前に私の本棚を整理したら心理学の本があってそこに、「教室で一番学んでいるのは先生」みたいな文を見つけました。生徒が一番学ばなければいけないのに、順序がおかしいじゃん!とず〜と気になっていたんです。

それからも自分なりに実験、リサーチ、生徒さんたちからのフィードバックをもらいながら試行錯誤してると、先の文の意味がなんとなくわかってきました。

それは、

「英語を教えない」

つまり、「インプット(聞く、読む)を授業以外でたくさんやってもらい、レッスンではアウトプット(話す)。たくさん英語を話してもらい、分からない表現や間違った英語を使っていたら指導して、あとは質問があれば答えるだけ」みたいな授業。

なぜ「教えない」なのかというと、教えても忘れられちゃうから。英単語を一生懸命教えても、教室を出た瞬間に全部忘れられてしまう経験が積み重なったからなんです。

一方的に教えることやカリキュラムをこなして、講師が自己満足するなんてバカバカしいなって。

体験レッスンに来る初めてお目になる方や他の講師に私がしている授業の話をしても、「安田さん(セシルさん)、何言ってるの??講師が英語を教えなかったら生徒は上手にならないでしょう」って反論されたり、もしくは「ふ〜ん」てな感じで、全く理解されていない様子なんですね。

まっ、当たり前の感想だな。

 

最近、セミナーに参加したら「反転学習」って言葉を初めて聞きました・・。

反転学習」とは、

「従来、教室で行われていた「知識伝授」の要素をビデオ化し、自宅にて学習し、従来、自宅で宿題を通して行われていた「知識の咀嚼」の要素を教室で行う教育形態(文科省HP)」

つまり、

私の解釈:「生徒は自宅で知識を得る学習をし、先生は教室で知識を教えるのでなく、生徒同士が学び合える、身につけた知識を実際に使えるようなサポートすること」

と理解しています。(間違っていたらごめんね)

例えば、

「反転学習」って言葉は知らなくても、「ウィキペディア」があるので、いつでも、どこでも、知りたいと思えば、その答えを見つけられるということ。

講演中、「お〜、アメリカの小学校を訪れた時のあの授業だ〜!自分の英会話のクラスでもこの指導法を絶対取り入れたい!」とず〜と思っていた授業形態のことを日本語では、「反転授業」と言うことを知って、すごい共感したんですね。

アメリカの小学校に訪問した時のことを以前ブログに書きました

以下ブログの抜粋:

「児童が主体的に学ぶ、参加する態度へと変わったから、親の態度も変わり、親が積極的に学校の活動にも参加するようになった。だから、地域も変わってきた。そして、これがすこしずつアメリカ全土に広がりつつあるんだ。」

今回の訪問で学んだのは、いかなる学習環境でも児童たちは、自分から率先し、みんなと協力して勉学に励むことで、だれも落ちこぼることなく、学業に専念できるわけです。低所得者の両親だろうが、犯罪率が多い地域の学校であろうが、外的な要因は関係ないんだな、と。

たった一人の新任の校長が、こんなにも偉大な影響を与えられるなんて、本当にすばらしいことだと心底感じた。そう、情熱なんです。

校長と校庭

校長と校庭

 

英会話習得のための学習も同じで、学習者と講師との関係が目標に向かう健全性であれば、外的な学習環境がいかなる状態でも、学習速度はどんどん上がると思う。学習者の意欲と講師の情熱の化学反応で、すばらしいものができあがるんです。

このアメリカのパブリックスクールに通う、キンダーから6th gradeのクラスの生徒が、授業中にお互いに教え合っていたんですね。例えば、アメリカに移民したばかりの南米の子供は英語が苦手なので、スペイン語やポルトガル語ができる他の生徒が教えてあげる。もしその移民の子が工作が得意であれば、また別の子に教えてたり、伝だってあげたりしていたのを見ました。そして、得意、不得意をお互い補っていることを子供たちが私に話てくれた。

教える行為が一番学ぶことができるのです。生徒が教えあうんです。

よくある英語の授業って、講師が英文を説明し、生徒にテキストの英単語や英文を読ませたり、リピートさせるだけ。そんな授業形態では、講師が教えたことなんて生徒はほとんど覚えていない(残念)。従来型指導をする先生は今後いらなくなるだろうなと、この学校の先生たちの指導を見て直感した。

だったら、講師としての役割は、たとえ全く英語を知らない初心者でも、少しでも身につけた英語を、積極的に使わせるように促したり、生徒が英語を話す機会を講師が奪うようなことはしないこと。つまり説明したり教えることをできる限りしないように我慢すると考えたのです。

だから、英語を教えないんです!

You think & use it!!(生徒の皆さんが考えて英語を使ってください!)

あともう一つ大切なこと、それは会員の皆さんが「話せるようになりたい!」という強い動機を持ってもらえるように講師がサポートすることも大切なのは言うまでもないでしょ!?それが自宅学習を育むことにつながるんです。

そんな「教えない」指導中だけど、今でもまだまだだなって思うことなんてしょっちゅう。でも自分の理想の形がなんとなくぼんやりと見えてきたから、楽しくなっています。

The following two tabs change content below.
アバター画像

安田 英承

1970年、日本国生まれ。「セシル」代表。英会話スクール、留学斡旋、翻訳・通訳業務、日本語教室運営を名古屋中心に行っている。韓国人と日本人のハーフで、妻はアメリカ人。1児の父。ハーレーとアメ車好き。 別アカTwitterで「ハーレー英会話」してます。

コメント