日本の学校の教科書の英語は戦前までイギリス英語で、戦後からアメリカ英語になっています。つまり現在の日本は、「アメリカ英語?」が主流ということになっています。
イギリス英語とアメリカ英語
イギリス英語とアメリカ英語は同じ英語でも違いが多くあります。違いがあることを知っている日本人は多いです。
でも、イギリスの中でも、2、3ブロック町中を歩いて行くと、違う英語を聞き取ることができるくらいたくさんの種類の英語があることを知っている人は少ないようです。アメリカでも西海岸、南、東海岸、ハワイでは、同じアメリカ英語でも特徴のある違った英語を聞き取ることができることを知っている人も依然として少ないようです。
イギリス、アメリカでは、いろいろな人種もいるので、彼らの話す英語もまた多種多様となります。
ひとくくりにアメリカ英語とイギリス英語とするには、無理があるのはわかりますか?
日本でいう、「イギリス英語」、「アメリカ英語」。
日本のある地域の中学校では、外国人ALT(英語補助教員)はアメリカ人やカナダ人しか採用しません。理由は、学校の英語の教科書がアメリカ英語だから、ALTの話すアメリカ英語に生徒が慣れてもらうためだそうです。巷の「グローバリゼーション」とはこういうことだそうです。
イギリスやアメリカからの帰国子女のいる家庭から質問を受けることがあります。
「アメリカに滞在していたので、アメリカ人の先生を紹介できますか?」
どこの地域のどんな英語のことを質問されているのか、答えに窮します。
アメリカ・LAに行った時のお話。メキシコ料理のタコスが食べたく、ファーストフードの「Tacobell」での注文時、店員の英語がわからなかった。とても焦りました。LA出身の妻から「彼らの話すメキシカン英語を聞き取れないと、ここLAでは生きていけないよ。」と。カリフォルニア州では、メキシコ人が増加しているので、街中スペイン語の表示を見たり、聞く機会が多いのです。だから滞在中、彼らの話す英語をしばらく聞き慣れることが自分には必要でした。
アメリカ英語って何・・・
英会話を始めて学習、習得したい人にとって、どの英語から始めたらいいのか。
どの英語から始めてもいいと思う。
英会話を始めて習う人にとって、英語には違いはないのだから、違いが分かりづらいし、そんなに神経質になる必要はないでしょう。学習段階で違いがわかってきて面白くなるといいですね。
「あ、この人の話す英語はオーストラリア訛り」とか、「この人の英語は香港かな?」など。いろいろな国で英語が使われていますから。
もし憧れがあり、自分の英語のモデルの人がいればいいでしょうね。例えば、アメリカ西海岸の黒人の人たちが話すHIP HOP系英語とか(笑)。
もしあなたの知人の外国人から日本語を学びたいと頼まれて、日本語を教えていたら、その知人が、「おみゃーさんよー。このお店あいとらんがや。」と名古屋弁で、大阪弁の人と話すことができるようになったら、ものすごく親しみがわくのは私だけでしょうか。
片言でも言葉を発して、伝えようとし、意思疎通を図ろうとすることの方が、初心者の学習者にとって重要です。
学習する前から、アメリカ英語やオーストラリア英語がいいのかなど、それほど心配する必要はないです。聞き慣れていない英語で質問されたり、自分の英語が相手に通じなくても、質問ができる手段があればよいのです。
いかなる国の人でも、どんな文化背景を持つ人との会話において、いつでも「よくわかりません。もう一度教えてください。」と真摯な気持ちで相手の話した英語について質問する仕方を学んだ方がいいと思う。
安田 英承
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