ネイティブスピーカー信仰 in Japan

英会話上達

日本では「ネイティブスピーカー」のように話せるようになりたい、というニーズがあります。

大丈夫です、ネイティブのように話せるようになりますよ。

だって、例えば映画の俳優のモノマネをするように、話す英語を真似る練習をすれば、結構すぐにできるようになるでしょう。

でもそれは、英語を母国語のように話すということではないんです。

英語を母国語として育っていない人にとってその人はすでにネイティブではありません。日本語をベースとして英語の学習をしているんです。

 

今回は日本のネイティブスピーカー信仰についてです。

さて、ネイティブスピーカー需要は個人だけでなく、英会話スクールや小・中・高学校、大学、そして企業などにもあります。そのニーズに合うための供給が当然資本経済上あるわけです。

需要側として、愛知県の小学校、中学校、高校の教育委員会は、カナダ人のネイティブスピーカー以外のALT(英語助手)は採用しないとか、ある特定の人種はダメ、とか未だにあるようです・・・・。

なぜなら中学校の教科書がニューホライズンとかだと、カナダ人が出てくるので、その国の発音やアクセントに似た英語のほうが生徒にわかりやすいから、という理由なんだそうです。

供給側として、ある英会話スクールは、「ネイティブスピーカーのみ在籍!」、とかプリスクールやインターナショナルスクールでは、「ネイティブから教育を受けていないと日本ではノンネイティブの英語は使い物になりません」みたい宣伝をしているのも結構あります。

 

日本では一般的に「ネイティブスピーカー」というと、

  • アメリカ
  • イギリス
  • オーストラリア
  • カナダ

でしょうか?

アフリカのナイジェリアも英語が母国語ですが、日本人にはあまり知られていないかもしれませんね。

でも大方の日本人は、英語には国や人種、その国の地域によって違いがあることを知らない人が多いようです。

 

ネイティブ信仰の一派に属していた私

私もその一人でした。

ていうか、英語はアメリカだけで使われていると思っていたんです。(恥ずかしながら)だってそんなこと教えてくれる人や先生が誰もいなかった!

そんな知識レベルの低さで、アメリカへ単身行った当初、英語について当然よくわからず、知人宅で「ゴッドファーザー」の映画を見た時です。この映画はアメリカ映画ですが、イタリア系(シチリア)マフィアファミリーのアメリカでのストーリーを描いたものです。当時、アメリカのレンタルビデオ(VHS)ストアから英語の勉強がてら、レンタルして鑑賞していました。

最後まで見ましたが、全然聞き取れなかった・・・・肝心なところが全然聞き取れない。

なんなんだ、この英語は?!と本当にショックを受けたものです。俳優たちの上手なイタリア訛りの英語のセリフには圧巻でしたが、彼らのような英語も聞き取れる能力がないと、アメリカで生活する上で困ったことになるぞ、と思ったものです。

あと、当時香港人の知人がいたんですが、彼らの英語も全然聞き取れなかったな〜。その後、中学校の時によく見ていたジャッキーチェンの当時の映画のインタビューを見る機会があり、彼の英語を聞いていたら、知人が話していたような英語だった。中学時代はジャッキーチェンのアクションばかり見ていたから、彼のセリフが広東語か英語か全く気にしていなかった。

この映画には英語は出てきませんよ。でも好きだったなー
この映画には英語は出てきませんよ。でも好きだったなー

 

あとシアトルに滞在時、ハワイ出身の友人たち7人とシェアハウスをしていたんだけど、彼らの英語も初めは全然聞き取れなかった。彼らの英語についてはまた別の機会で紹介したいと思う。

 

とにかく、いろいろな英語があるんですよ、ってことです。それぞれの国で話されている英語はYoutubeや映画などで見るとすぐに調べられるので聴き比べてください。初心者の人には違いが分かりづらいとよく聞きますが、ある程度の量の英語を聞くと、違いがわかってきます。だから今違いがわからなくても大丈夫です。必ずわかるようになってきます。

 

ネイティブのように話すことですか?

ではノンネイティブではない我々日本人の話す英語はどうあるべきだと思いますか?

それはあなたの価値観に依ります。ネイティブのように話したほうが「かっこいい」とか「憧れ」を思っていれば、それを目指すべきでしょう。また、イギリスのこの地域の、このブロックあたりで使われている英語で会話ができるようになりたいと思えば、その地域に実際に行って、英語の勉強をしたほうが、効率がいいものです。(日本の過去の英語教育はそんな英語からスタートして、今も引き継がれています)

別によくわからないし、特にこだわらないのであれば、それもそれで良いと思う。

日本人の英語学習者がよく指摘されることは、表面的なこと、聞きやすさ(正しい発音の英語)や正確な英語(間違いのない英語)を気にする傾向にあります。実際には、他の国の英語学習者も同じ傾向ですけどね。

でも本当は、あなたが話す、伝える内容のほうが重要なんです。それをどれだけ自信もって話せるかで、多少聞き慣れない発音やアクセントで、間違った文法の英語でも、他の国の人は、日本人が話す英語をそんなに気にしないものです。

英会話習得は本当に大変だけど、伝えることの内容重視を目指して学習すると、結構早く英語ができるようになる人もよく見ます。

Let’s get moving!

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安田 英承

1970年、日本国生まれ。「セシル」代表。英会話スクール、留学斡旋、翻訳・通訳業務、日本語教室運営を名古屋中心に行っている。韓国人と日本人のハーフで、妻はアメリカ人。1児の父。ハーレーとアメ車好き。 別アカTwitterで「ハーレー英会話」してます。

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