人との出会いには、必ず別れがあります。
別れの時の感情もいろいろで、辛い、うれしい、悲しい、後悔など。
私のようにスクールを運営していると、いろいろな方たちとの出会い、様々なお付き合い、そして別れがあります。
今日は、生徒との別れについて。
人に英語を教えることは、「教えたい」という意思のある人はだれでも講師として仕事ができると思っています。ある人は、「英会話さえできれば、講師になれるんでは?」と質問されたことがあります。確かにそういう人もいるんでしょうね。
例えば、そのような人が、スクールから指導内容の教材やカリキュラムを渡されて、教えることを指示され、それを生徒へ提供すれば、最低限のサービスとして成り立ちます。
でも、それは講師としてのすべての仕事ではありません。そんなに甘い、easyではありません。そんなサービスを提供していればプロとして失格です。
それはどんな職種でも同じで、会社の指示待ち、上司に言われた通りに行う心のない店員や社員のサービスは客としてあまり気持ち良いものではないように、そのような講師の授業なんて受けたくないですよね。
信頼関係を構築することができない、築こうとしない人は、講師として向いていないし、どんな仕事の成就やクライアントとの関係を築くことはできないでしょう。
双方の信頼関係がないと、ただ「講師」という肩書きだけで、教えている内容が本当に正しいものかどうかは、生徒にどのように信頼してもらうのかによって違うと思う。教えてもらうことが「本当に間違いないんでしょうね〜」と生徒から疑われるような低信頼度であれば、授業として全く成り立ちません。
人間関係の最低あるべき信頼をベースに、講師として、生徒の目指す目標に向かって最高の授業内容でそれを全力で情熱をもって指導ができて、同時に必ず生徒の目標に達成できる指導技術をもって、初めてお金を頂いてプロの講師として仕事ができます。
医者でも同じですよね。信頼できない医者のところへは、患者として緊急搬送されても避けたいですし、信頼できても、治療技術がない医者へも避けたいと思います。
だから、スクールや講師として絶対に生徒の期待を裏切ってはならないと思います。でも、不手際やあってはならない言動や行動によって生徒に迷惑をかけたり、またその不信に気づかないことも有ります。
そんなときは、間違いを犯したり、指摘をされたらやはり、素直に認めることです。「I’m sorry. ごめんなさい。」ですね。そのような理由が原因で生徒がスクールをやめるのは当たり前のことで、論外です。
でも、志半ばで生徒の諸事情により辞める、去ってしまうのは、講師にとってつらいことです。
講師やスクールの立場だと、辞める生徒に思うのは、「これからが大事なのに・・・」とか「なんで今やめるの!?」、「何か不満でもあったの?」と自分を責めたり、後悔することもあるものです。
一緒に仕事をしている仲間の先生たちで、児童の生徒を「我が兄弟・姉妹」と観て、指導しているので時には厳しく、時には楽しく「親身」となって指導していると話してくれたことがあります。
そのような指導者のもとで授業を受けている生徒は、ある意味「先生のファン」になっています。英会話の授業を受けているけど、先生に会いに授業を受けに来ている、そんな生徒もいます。
そのような信頼関係があると、当然目標達成のスピードが早く、授業に対する満足度も高くなります。
そんな関係からの別れは、講師として、これは仕事だからと、割り切らなければならないところもありますが、心情としてはそんな簡単に割り切れないのです。
でも、別れ際の一番うれしい生徒からの言葉というのは、「Thank you very much.(ありがとうございました。)」ではないでしょうか。これだけで今までの苦労や辛さも吹っ飛びます。
生徒が辞めるということは、当然スクール経営上、芳しいことではありません。でも、私はこの感謝の気持ちをいただけるように、スクールを運営していると言っても過言ではないです。
それは、スクールの一員として生徒の目標達成のお手伝いができ、そしてそれに対して感謝されるって最高だと思っています。PRICELESS.
だから、もし急に生徒が辞めることになった時の、自分の気持ちの処方箋として現在おこなっていること、考えていること、信念は「今自分がやっていることはベストエフォートで、今この生徒が目の前に「辞める」と言っても、いままで行っていたことに対して、自分に後悔しないか」と問いながら臨んでいます。
いま考えられる、生徒が辞めることの心理的ショックを和らげることのできる処方箋はそれぐらいです。
スクールを去っても、いまもご縁があり、お付き合いさせて頂いている方たちがいることは嬉しい限りで、Thank you, Thank youです。
安田 英承
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