最近「知っている英語が聞き取れないんですけど、どうしたらいいですか?」とよく質問されます。
正常な聴力があるのに、どうしてそんなことが英語には起こるのでしょうか?
話をよく伺うと以下の状況のようです。
「自分が理解している、聞き取れているはずだと思っている単語だけで構成されている文章でも、聞き取れない単語がある。」
もう少し聞き取れないところを具体的に・・・
- なにか言っているけど英語かどうかわからない。その聞き取れない音の真似ができない。
- 聞き取れない部分は一応英語として認識できているが、まったく真似ができない。
- 聞き取れない部分は一応英語として認識できている。真似がある程度できるけど、発音を真似るのにとても時間がかかる。
「真似る」とは、英語の音と認識し、聞こえた通りに発音をすること。会話中聞き取れなかった英語をできる限り真似ることができ、それについて質問ができれば、相手は答えやすくなることが期待できる。
聞き取れない英文の文法も理解していて、その文脈も理解し、たぶんこんなことを言っているだろうなと、推測することができているのに、そんな知っている単語でさえも聞き取れない!
「あー、こんなこと言っていたんだ。」とスクリプトを見て確認し、再度同じ英文を聞くと、
#1:「あー、聞こえる、聞こえる。」と納得する場合。
もしくはスクリプトを見ても認識できない。
#2:「全然聞こえないんですけど・・・・」の場合。
#1と#2が起こる理由はなんでしょうか?
#1の原因
- しっかりと聞きいていない
- 勝手に思い込んでいることが原因で実際の英語と認識できない
- 他
#2の原因
- 自分の知っている発音とは違う発音をしているから認識できない。
- まったく聞こえない。実際には発音していないことにさえ気づかない。
- 余分な音が聞こえる。実際には発音していないのに、それを音として認識している。
- 英語独特の発音のルールを知らない
聞き取れない対策を知っておこう。
まずは、
- 知っている単語の発音を正しく認識できるようにする。
- 日本語にはない英語の音を知ることや母音や子音:b, c, d, f,・・・を認識できること(th、RやLの発音の違いなど)
- 音節を理解する。音節数が多い単語は比較的認識しやすいけど、1か2つの単語は文中で聞き取ることが難しいと感じる(at, the, until, anなど)
また一般的に、
- リンキング(別の2つの単語が子音と母音がつながる「an apple(アン アップル)」が「アナップル」とつながって発音される。)
- 別の発音の存在を知る(be going to:be gonna)
- 文中の音が消えてしまう(haven’t doneのtの発音 )
そして、国によって英語独特の発音のルールを知ることが大切。アメリカ、イギリスなどのある特定の地域やネイティブだけが話す英語だけでなく、様々な国籍の人が話す英語の発音は多種多用です。いろいろな英語に慣れることも日本人にとって重要なことだと思う。
実践と応用をしょう
以上の英語の発音のルールを理解するだけでは、知っている単語が聞き取れるようにはなりません。知っているだけではダメ。
そして
- 推測する能力を養うこと
- 一度に聞く量に慣れる
これは基本文法をしっかりと理解し、文脈を論理的に理解できるようにすると、聞き取れない部分が推測できやすくなる。
また、知っている単語でできている文自体が長く、話すスピードが速く、その量が多い場合、初心者にとって、英語を日本語に訳している時間が追いつかず、文全体を理解できる限界を超え、聞き取れないところがますます推測できなくなります。
上記のような知識と対策だけの練習だけでは、やはり忘れてしまうのです。たとえ知っている単語の英文でも、別の英文の中に入っていると、また同じように聞き取ることができないことが起こり得ます。だからまた同じように悩むのです。
実践してください。はい、実際に使ってみる。
自分の英語力レベルにあった英文のアドバイスを受けるといいでしょう。その英文を聞く頻度を増やし、たくさんいろいろなものを聞き、そして集中して聞き、聞き取れないからと諦めず、繰り返し練習するといいと思います。そして練習中は、100%聞き取れるように目指すべきです。
必ず聞き取れるようになる!
「聞き取れないものは何回聞いても無理」とか「そんな英語の勉強は意味がない」と自分で諦めてしまった人と、「聞き取れないから何回も同じ英語を聞いて理解しよう」と同じ英文を何回も、何日も、繰り返し挑戦し訓練していた人がいます。
短期的な結果は実際よくわかりません。人の能力によりますからね。しかし長期的な結果はどうかというと、「聞き取れなくても同じ英語を何回も聞いて諦めない人」のリスニングの精度はびっくりするぐらい上がっています。
これは指導されてできるようになることではなく、その人たちが自分で手にした勝利だと思う。そんな人たちは急にいろいろな英語が聞き取れるようになってくるので、ぼんやりとしていたものが急に明るくなった(わかるようになった)と、表現してくれた生徒さんたちがいました。
Let’s get moving!
安田 英承
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