子どもは「脳がやわらかく、なんでも吸収する」ので英語もすぐに上達する、なんて宣伝広告をよく見ます。
子どもの脳は、確かに、知識などの吸収率は大人に比べたら高いようです。
でもその事実と、子どもは英会話がすぐにできる、とは言えないと思うのです。今回は、子どものリスニング力について。
英会話講師とのミーティングで、彼らからの報告でたまに、「1年近く教室に通っている子ども達の中に未だに「How are you?」と「How old are you?」の聞き分けができない子達がいる・・・」と相談を受けることがある、セシルの安田です。
この2文の違いは、「old」があるかないかです。たったこれだけの違いです。
もし自分の子どもを英会話スクールに通わせていたり、英会話を勉強をしているのなら、「How are you?」と「How old are you?」の聞き分けができるか、試してみてください。
もしその質問に対して英語で即答できるのであれば、質問の意味がわかっているし、上達もしていると思う。そのままトレーニングさせてください。
もし、答えることができないのであれば、何かが問題です!
よくある例が、「How are you?」と質問されていて、「I’m 7 years old…..」と答えたり、「How old are you?」と質問されていて、「I’m good…..」と答えたりしていたら、質問のはじめの単語のHow しか聞いていないか、まだしっかりとそれらの英語に聞き慣れていないかもしれません。
それぐらいの質問には答えられるでしょう!?と講師や親として期待するところですが、実際子どもたちのリスニング力とその上達スピードは、正しくトレーニングをしていないと、なかなか聞き取れるようにはなりません。
子どもがこれら2つの質問の違いをまだ区別して答えられないのは、もしかしたら、英会話講師の教え方が適切でない場合や子ども自身が英語を「聞く」、「話す」様子を注意深く観察していない場合もあります。
例えば、クラスで”How are you?” とクラスの一人に質問し、その子が ”I’m OK.” と答えると、次に、その隣の子にも同じ質問をします。たまに、その子が先生の話を聞いてなく、隣の子の答えだけをよく聞いて、返事をする場合があります。だから、正しく聞き取っているかどうか確認のために、あえて急に質問を変えて、”How old are you?”ときくと、”I’m OK.” と答えることもあるのです。
だから講師として、子どもにしっかりと質問を聞いてもらう訓練がレッスン中に必要です。その「しっかり聞く」ことをさせずに、ただルーティンのように一人一人質問し、一見みんな元気に「答える」「言わせる」ことしかさせていないと、正しく答えることができないことがあるのです。
また別の例として、”How are you?”と質問をされているのに、”How are you?”とずーとリピートする子。質問に答えることなく、オウム返し。「元気ですか?」と質問をしているのに、「元気ですか?」と質問し返される(笑)。
この場合は、質問されていること自体を子どもが理解していないので、意味、ニュアンスを子どもに理解させる必要がありますね。
他に、”How are you?”の質問の答え方が、”I’m fine.”としか教えてもらっていないので、風邪気味で咳き込んでいたり、眠そうでも、”I’m fine!.” と答える子もいます。
あと質問の意図について、子どもにとって普段の生活で友達に、「元気?」なんて質問をする習慣がない・・・・・。誰かから質問されたり、質問することにとても違和感がある、というようなことを生徒から聞いたことがあります。
だって、子どもが遊んでいて仲間に入れてもらいたかったり、話しかけようとするときに、「元気?」みたいな表現をアメリカでも日本でもしませんよね?
だから、子どもにとって、なぜ英語では質問をするのか、その意図を理解させることが必要です。
どのように子どものリスニング力を鍛えるか?
大人の学習方法といっしょです。子どもの理解できる英語を、
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何回も聞く。
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何回も真似る
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実際に話す・試す、使ってみせる
聞く回数が十分ではないから、「How are you?」と「How old are you?」の聞き分けができないかもしれません。
真似ることを十分していないので、聞き分けとその質問に答えることができないかもしれません。
単なるコピーか反復練習で答えていると、実際に自分の気持ちを伝えていないので、質問されても、本当の意思疎通ができず、楽しさが半減していることもあります。
子どもでも、間違えて英語で答えることに躊躇し、きちんと答えないこともあるかもしれない、そんな恥ずかしさの感情をもった子もいますね。大人でも、正しい間違いのない英語にこだわって、間違いを恐れたり、躊躇して、自ら話せない人もいます。
大人も子どもも、英会話習得の王道は、「聞く」、「話す」の反復があって上達していくのです。
Good luck!
安田 英承
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