子どもでも大人でも何か学ぶにしても、参加する授業が「楽しい」ってことを期待する人がほとんどです。
子どもに「どんな英語のレッスンがいいですか?」と質問をすると「楽しいこと〜。」みたいなことをほぼ全員答えます。
具体的に何がやりたいの?と突っ込んで質問すると、「ゲーム」とか「お遊び」、たまに「ダラダラしたい」みたいな返事が返ってきます。
で、実際に授業の内容に関係ないことをしたいのかというと、そうでもないらしい。
社会人でも同様で、やはり授業は「楽しい」ことを期待しています。
また、子どもに英会話を習わせたい親に同じような質問をすると、「子どもが楽しめる授業」を希望する人が100%です。
さて、この「楽しい」ってなんでしょうか?
どんなことを「楽しい」って言いますか?
セシルの安田です。
私が最近受講した一番驚いた授業があります。
それは、運転免許の更新時に過去に違反がある、つまりゴールド免許ホルダー以外の人が出席しなければならない講習です。
名古屋の人ならわかると思いますが、「平針」というところで、安くない更新料と時間を割いて、過去に何らかの交通違反をした人たち100人ぐらいが教室に集まり、強制的に講習を受けなければなりません。ある意味ちょっとした交通刑務所だね。
私は教室の最前列で出席しました。そこしか空いていなかったので。
講習が始まると、最近の交通事故や交通死亡事故件数、ケーススタディーを講師が説明し、交通死亡事故を起こした場合の被害者と加害者の悲惨なビデオを鑑賞します。
お決まりです・・・
ビデオが始まるといきなり私の両隣りと後ろから「グー、グー」とイビキが聞こえ始めました。
薄暗い部屋の最前列の私が後ろを振り向いて、教室内を見渡すと、頭をうつ伏せて、ほぼ全員寝ていた!
驚いた。「誰も真剣に聞いてないじゃん」って。
英会話の授業内容の理想ってなんですか?
私の理想としている英会話の授業は、基本、先生は何も話さない。勘違いしないで欲しいのは、教えないってことではありません。
生徒主導型のクラス。基本的なことを指導したり、最低限の説明を講師が当然するけど、それ以外ほとんど生徒がすすめる。
生徒が英語の単語やフレーズなど、伝えたいことが言えない、わからないなど、質問されれば理解しやすいように説明する、そんな授業です。
特に英会話のクラスでは、講師が話す量は全体の20%以下で、残り80%は生徒の皆さんが英語を話している、英語を聞いている、英語の練習しているっていうのが私の理想です。
仮に100のことを1つのレッスンで伝えるのに、少なく見積もって7か8ぐらいのことしか受講する側って覚えていない。でも、生徒が授業中に発言したことや間違ってしまったこと、感情が伴った出来事は、ものすごくしっかりと覚えている傾向にあります。
例えば学生時代の授業で、授業内容と全然関係ないような先生自身の小ネタや脱線話って、今でも鮮明に覚えていませんか?
子どもでも大人でも、「席にただ座っているのではなく、実際に授業に参加していて、それが身になっている」という気持ちが「楽しい」っていうことだと思う。
「楽しい」って本当は人それぞれの価値観なので、十人十色。
一人一人の好みや楽しいことの把握は講師としてするべきだけど、その好みを一人一人聞いて行っていたんでは、何をやっているのかわからなくなります。
先日、小学生に質問をしました。
「レッスンでやってみたら、楽しいなと思う内容はありますか?」と。
「あるけど、これは採用してもらえないと思う。」というので、
「話してくれないと、わからないよ。」というと、
「宇宙戦艦ヤマトについてレッスンでやってほしい」。
「・・・・・。わかりました。まずはヤマトのアニメについて英語で言えるように頑張って!」と伝えました。(笑)
特に子供対象の英会話の授業で「楽しい」という内容は、ゲームをしたり、英語で遊んだり、っていうのが想像しやすいと思う。
なぜなら、子供は「遊びながら」が一番身につきやすいからです。
でも、楽しいばかりで、全く英語が身についていないこともあるのです。
「楽しいこと」と「英語を身につける」ことの絶妙なバランス、塩梅を英会話講師は知ることだと思う。
だからコミュニケーション能力があり、生徒側から「ものごと」を見ることができるの能力のある英会話講師のレッスンは、そばでレッスンの様子を見ていても楽しいのです。
だって、なんとなく参加している気分にすでになっているからです。
Good luck!
安田 英承
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