アメリカの人の妻が帰省し、しばらく彼女の実家に滞在すると色々な経験をさせてもらいます。
高齢の義理の父(見かけと行動は全然高齢には見えないが・・・)が一人で一軒家で生活しています。
そんな家には、テレフォンアポインの本数とダイレクトメールの数が毎日半端ではありません。逆に電話やメールボックスに何もないと、「今日はどうしたのかな?」と勘ぐりたくなるぐらいです。
そんな老人が一人暮らしをしていると、日本も同じだと思うけど、そんな家をターゲットにする業者がアメリカも多いのです。
今回は、英会話によるコミュニケーションについて。
以前のブログにも書いたけど、Conversation(会話)とCommunication(コミュニケーション)の違いを理解していない人がいる。単語が違うように、意味も異なります。
顔と顔を合わせた”コミュニケーション“で
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言葉(口から出る会話)の割合は約10%
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残りの90%はボディーランゲージや声のトーンです。
だから「英会話」とは英語で会話をする、「カンバセーションをする」ことです。
英語ができても、全くコミュニケーションができない人が多いのも面白い。
口達者な営業マンが訪問販売に来た時のこと
30代前の白人男性と作業着を着た南米系の同伴者が玄関先に来て、義理の父が応対すると、そのまま部屋の中に入れてしまった。
ちょっとスペイン語なまりのある営業マンと全く英語ができない助手たちでした。
父に彼らを部屋に入れた理由を聞くと、以前屋根のリフォームをした時にお願いした業者とのこと。
私たち夫婦はちょっと義理の父の購買を警戒をしていました。なぜならとんでもないものを訪問販売で購入した経験があったのです。
$3000(約38万)もする掃除機を購入したことがあるのです。高級掃除機のダイソン製でもなんでもなく、アメリカのホームセンターやTarget(安売りスーパー)でも売っていないような、シロモノだったのです。
その掃除機とは、老人が使うには、あまりにも重すぎて、(アメリカのものは基本的にデカすぎる)それに、訳のわからないアタッチメント(付属品)も多く、吸い込み能力もガタイの割に弱く、購入以来数回しか使っていないことも判明し、リサイクルセンターへ直行にさせたことがあったのです。
購入時、その掃除機の訪問販売の兄ちゃんと意気投合したらしく(口車に乗せられた、とも言えます)、サインした、と。
義理の父自身、その掃除機が特に値が張る、高いものという認識がまったくない・・・。
普段は、新聞折り込みのスーパーのクーポンを集めて、一番お値打ちのものをゲットするほどリサーチ熱心であるのにもかかわらず・・・・です。
そんなことがあったから、まずはその業者の話を少なくても最後まで聞いて感情を絡めず冷静な判断をしましょう、とその場で家族で話していた。
するとその営業マンに同伴していた一人に屋上と屋根裏をチェックさせて欲しいということで、30分ぐらい待たされることに。
その彼がデジカメで屋根裏と屋上から屋根を撮ってきたものをipadで見ながら、リビングで家の様子と状態を見せてくれた。
彼らから、この家には雨漏りの心配と前回の工事から屋根の素材の耐年数が近いから、屋根の張替えを勧めている内容でした。
そこで肝心な料金の話を聞いていると、なんと「$15,000(約190万円)!」
「Expensive!!(たっか〜い!)」と私がつい口走ってしまった。
するとその営業マンが、その値段は決して高くはない理由を畳み掛けるように話し始めました。マシンガントークですね。彼らもセールスに必死なわけです。
一応、最後まで話を聞きました。
もし工事をお願いする場合の支払い方法と納期のことも確認しました。あとは、工事をお願いするかどうか、義理の父本人が決めて連絡する旨を伝えるまで、すでにもう2時間近く経っています。
そこからのトークは、即決した方が割引があるだの、今すぐ工事を開始した方が後々の工事料金がもっとかかるだの、まー、話が止まらない。
しまいには彼の上司に直接電話をして、値引きを始める始末。
義理の父が「今すぐに即決はできないから、後日連絡くれ」と何度も伝えても、その営業マンは、「No, thank you」や「Later」という基本英語を全く理解できない、もしくは全く聞こえないらしく、側で聞いている私がちょっとイラついてきた時には、もう3時間が経とうとしていた。
そして妻が夕飯の支度を終えたところで、妻が見るに見かねて、一喝!
その場はあっという間に終わり、退散してもらった。
日本でこういうトークをする人にセールスをされたこともありますが、アメリカでもいるんだなあ〜と思った。
このように人の話を聞かない人って、周りにいませんか?
人の話を聞いていない相手と会話して楽しいわけがないのにね。
工事をお願いする(帰り際に今回は丁重にお断りしたが)にしても、人の話を聞いていない紙面だけの契約では、いずれ問題になるなとも思った。
英語でも日本語でも一緒なんです。
母国語が日本語でもコミュニケーションが全く取れない人が、英語を頑張って勉強して話せるようになっても、英語でコミュニケーション能力が上達するわけではない。
海外のやり手の詐欺師(ちなみに先の営業マンは違います)は、片言の英語を話す日本人相手にでも、うまく丸め込んで、所持金全部スられた(被害にあったと気づくのに結構時間がかかる)って人が結構います。
言葉以前のことなんですよね。
Good luck!
安田 英承
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