英会話習得のための初心者学習者へのアドバイスに、英語を話すときは、「日本語をイメージしない」とか、「日本語に訳さないように」など、「英語脳」みたいな話を聞いたり、読んだことがあると思う。
本当か?って思うのです。
わざわざ日本語をイメージしなくてもまた、日本語に訳さなくてもいいぐらいに、英語に慣れろ!というアドバイスであれば納得ですよ。
だって通訳をするとき、日本語に訳さないとダメじゃん。
私自身たまに、通訳のお仕事をさせていただくことがあります。
特に通訳になるために学校で勉強した経験があるわけでもなく、通訳案内士などの国家資格を持っているわけではないのですが、依頼があればお手伝いをしています。
医療関係やエンジニア、民事訴訟などなど。
はっきり言います。
通訳ってめちゃくちゃ難しい。
ちなみに、通訳には2種類あって、同時通訳と逐語通訳。
よくテレビの生中継で通訳をしているのが、「同時通訳」。ある程度話をまとめて聞いて、その都度通訳するのが「逐語通訳」。
通訳の難しさって英語そのものも当然難しいんだけど、実際は日本語の語彙力の無さと通訳する分野の知識不足からも起因しています。そしてトレーニング不足。
英語が話せる、理解できるだけでは全くダメです。
本当の語学力が必要だと思っています。
英語から通訳する場合、英語を話す人に独特のアクセントや言い回しがある場合、それに慣れていないと、通訳どころの話ではありません。その人の言っていることが理解できないこともあります。
また日本人の話や質問を英語に通訳する場合、よくあるケースが、結局この人何が言いたいんだろう?みたいに、最後まで話をず〜と聞かないと趣旨がつかめない場合があります。
また、通訳って体を動かしているわけではないけど、本当に体力を消耗します。また神経もすり減り、見た目以上に大変。だから同時通訳しているプロでもあまり長時間通訳はできないと思う。
通訳の依頼内容が医療関係や民事訴訟、エンジニア関係のことなど、関係者同士が話している内容が日本語であってもさっぱり理解できないことが常です。
専門用語でお互いに話が通じているんだけど、その分野に疎いと話についていけないわけです。
つまりその分野に通じていないとその日本語がわからないから、通訳なんて全くできないのです。
仕事の内容によっては、イベントなど事前の打ち合わせで話す内容の原稿がすでにあって、それを通訳(?)するような依頼があるようですね。でもそんな原稿など見たことがありません。だから仕事させていただく前に、その分野のことを独学で勉強しておく必要があります。必要であれば関係者の方達に指導してもらうことも多々ありました。
でもはっきり言うと、短期間の独学で済むような内容であればいいのですが、特に人の命、人生に関わり、緊急性を伴うような通訳というのは、本当に責任感が重大なのです。
だから仕事をさせていただく前に、このことだけはしっかりと確認させてもらっています。
以前ニュースで、日本人の観光客が海外で、身に覚えのない麻薬をスーツケースに持っていた容疑で当局に逮捕されました。現地で尋問されているシーンを見たことがあります。日本人は警察が何を言っているのかわからないから、現地で依頼された通訳の人から逮捕された嫌疑や警察からの質疑応答、そして自身、身に覚えのないことを通訳を通して説明をしていたんですね。でも、通訳者は全く正確に通訳できなかったため(悪い意図はなく通訳したつもりだったんだろうと思う)、意に反する逮捕と判決を言い渡された事件だった。
悲惨だね。通訳者が咎められることはなかったようです。
通訳の仕事は本当に大変だけど、その分見返りが本当に大きい。だって通訳を通じて、知らないことを直接学べるからです。おそらく通訳されている関係者の中で、通訳者が一番理解できている立場だと思う。(笑)
さて、英会話習得しようとするなら、母国語の日本語の語彙や表現が豊富である必要があります。またそれが上達の手助けになります。
日本語の大切さを意外に知らない人が多い。「早く英語が話せるようになりたい!」ために、たくさん英語の勉強するのはいいことだけど、母国語が疎かであってはならないな!と思う。
自分がこの年齢になっても日本語も英語も本当に難しいなと感じています。
Good luck!
安田 英承
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