英会話習得のための辞書について。
私がアメリカで生活を始めて間もない頃、街で見る看板の文字や目に入るもの、バスの車内で聞こえる会話は、すぐにその場で意味を理解するために、「ポケット版の英和・和英辞書」と小さいノートとペンをジーパンの後ろのポケットに突っ込んで街中をふらふらしていました。
ポケットは常にかさばってたけど、英語を上達するには欠かせないアイテムだったし、単語量は飛躍的に伸びた気がしました。
しばらくすると電子辞書が販売され始めたけど、当時は高価で、操作性に全く慣れず、紙の辞書を使っていました。
最近の電子辞書は多機能すぎて、どうかな?ってのもあるけど、使いやすいものであれば、なんでもいいと思う。好みの問題。
またスマホの普及で、とても便利な辞書のアプリが無料でダウンロードでき、携帯性にすぐれているので、電子辞書は、車のナビとともにいずれ廃れていくんだろうな〜。
しかしオンラインの「翻訳」機能は相変わらず使い物にはならないけど、いずれ技術が上がれば、完璧なものが出来上がるのは時間の問題でしょう。
英文を作る時に、単語を調べても、その使い方や知りたい英文が辞書に掲載されていないことが多いものです。でもインターネットでその単語の使い方を調べることができるので、スマホで全て事足ります。
ただし、アプリの性能が上がったからといって、英会話が上達するわけでありません。
知らない単語を調べる行為は、紙の辞書やスマホを使っても、一手間かかる面倒なことには変わりません。その単語を暗記し使えるようにすることは昔から変わらず、本当に大変。
英語の読み物をして知らない単語が出てきてそれを辞書で調べて、調べた単語に赤ペンなどで線を引いても、またしばらくして読み進めてわからない単語を辞書で調べると、また同じ赤線が引いてある単語にぶち当たる・・・・・。「さっき調べたばっかりじゃん・・・・」とため息をつくことも多々あります。
ある著名人は受験勉強に、英和中辞典の1ページの単語を覚えたらそのページを破って食べていたなんて、エピソードをどこかで聞いたことがあったな。
英会話初心者でも、いずれは英英辞書を使うようにしましょう。ただし、知っている英単語の数が少ないと、英英辞書に書かれた英文の中の単語がわからず、またその単語の意味を調べるような面倒なことになりますが、使い慣れることをお勧めしますよ。
1983年に私のスクールのオリジナルで「PDIC(ピーディク)」と言う小学生向けの英和辞書を作成し販売していました。正式名称はPersonal Dictionaryからとっていて、子どものニーズに合った辞書を作るという目的で、「秋の叙勲」の受賞経験のある大学教授が編著者の自慢の辞書でした。
当時の子供向け辞書というと、名詞が中心のpicture dictionaryが一般的で、物の名前を覚えるものとしては適切でした。でもそれでは、子供が英語で何かを伝えるためのものとしてニーズがあっていませんでした。そこで私たちの辞書には、日本の小学生が気持ちを伝えることができるような形容詞、動詞や単語の使い方の例文も子供のレベルに合ったものを掲載していました。また単語や例文には、別途カセットテープの音声も添付していたので、なかなかの出来でしたよ。
しかし挿絵や音声、また表装が時代に合わなくなり、増版までにはなりませんでした。
結局絶版にはなりましたが、今でもそのコンテンツは色褪せていないので、単語の一覧をエクセルで作成したものを私のスクールで使用したりしてします。アプリが作成できるなら、復刻させたいな。
現在では、アルファベットが読める5、6歳の子どもに、書店で購入できるような英和・和英辞書の購入を私のスクールでは勧めています。レッスンで辞書を使って子供たちと会話をすると、英単語がどんどん出てきて、結構英語で話が弾んで楽しんです。
辞書で調べると、英会話上達の助けになります。知らない単語に遭遇したらすぐに調べてみましょう!
面倒だけどね。
Good luck!
安田 英承
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