英会話を勉強する上で避けて通れないのが、スラング(俗語)というものですね。日常会話の中でこのスラングがわからないとちょっと都合が悪い。
これらは知っているだけでいいと思う。別に使う必要もないし、それを相手に使うのであれば相手を怒らせる(殺される)場合があります。そんな覚悟が必要です。
“Homeless” in Seattle….Not “Sleepless” in Seattle
私がシアトルに到着してからまだ2、3週間目ぐらいだったかな。雨の中、一人で街中をふらふらと出かけて、人通りがまったくないバス停で一人タバコを吸ってバスを待っていました。(当時タバコを吸っていました)
すると50代のホームレスの男性が一人、なんか私に話しかけているんですね。たばこを一本譲ってほしいというので、(日本で当時そんなことを聞かれたことがなかった)一本あげると、なんかえらく親しげにいろいろと話しかけてきました。
当時の私は「うぶ」(怖いのも知らず)なところもあり、まったく抵抗がありませんでした。しかし困ったことに、彼の話している英語がさっぱりわからない。スラングだらけで、あとアル中なのかジャンキーなのかロレツもしっかりしていなかった。でもよく聞くとバンクーバーで漁師をしていて、サーモンを日本人と昔たくさん獲っていたと。その日本人にとてもよくしてもらったから、お前に恩返しがしたいというのです。
「お金がないのに何を言っているんだ?」と「だいじょうぶ、ついてこい。」というので、自分の行く目的地のバスとは違うバスに一緒に乗車することに・・・。
目立ちましたね〜。ホームレスのおっちゃんと日本人の若造がいっしょにバスの中で話しているから。乗車している人の半数はホームレスのおっちゃんをジーとみていたね。
「ここで降りるぞ」というのでいっしょに降りると、いまからコンビニへ行くというから店の外で待っていろと・・・。
すると、おっちゃん一人店に入り、その後2本のボトルビールをそれぞれの紙袋に入れてでてきました。(お金持っているんだ!?)するとその紙袋の一つをくれました。「これもらっても飲めないから、いただけないよ」というと、「だいじょうぶ、なにを飲んでるかわからないようにするために、この紙袋をもらってきたんだ。これで隠して飲めば、うまいんだな〜。」と。そんなつもりで言ったんではなかったんだけどね・・・・。とにかくいっしょに飲みたかったんでしょう。ちなみに、アメリカでは道端でアルコール類を飲むことができません。禁酒法の名残でしょう。日本の公園でお花見なんてアメリカではできません。
彼は、一本飲み干したあと、今から他にも連れて行きたいところがあるというので、路地裏に連れて行かれました・・・・。
すると路地裏には他のホームレスがたくさんいました。ホームレスにもいわゆる階級みたいなのがあり、このおっちゃんは上の方らしい。まあひどいところだった。そんな彼の家(草むら)の中から荷物を取り出し、表通りへ行くと、「このバーへ行こう!」と。「お前酒飲むよね?」と質問するので、「飲めるよ」と伝えても、アメリカのバーでは飲めないと伝えました。なぜなら21歳以下は禁止なのです。身分証明書の提示が必要だし、入店もできません。また手持ちのお金もないから無理だと。(財布には3ドルぐらいしかいつも入れてなかったし・・・)
意地でもいっしょに行きたかったんでしょう。するとおっちゃんが「いいアイデアがある。俺とお前は親子ということにしよう。それをバーの店員に伝えてくる。いっしょに入店できるように話をつけてくるからちょっとここで待っていろ。」と。白人のホームレスのおっちゃんと日本人の若造がなんで親子で通じるか!?もし入店できたら笑えるな〜と思ったが、案の定無理。アメリカはお酒に関してはとても厳しいなと思った。
やっと諦めたのか、バーの前で別れることに。「またお前と会いたいな」というので「俺から電話するよ。」と伝えると(彼には電話がないことはわかっていたが)、「またストリートでね」とハグして別れることに。
今から考えるとけっこー無茶していたな〜と思うけど、当時はそんなことより「あの英語はなんなんだ〜。聞いたことがない単語ばかりでさっぱりわからんかった・・・、まずい。」と思ったものです。
「スラング」というのものを体感したときです。
当時電子手帳とかスマホとかがなかったので、ポケット英和和英辞書と小さいノートとペンをポケットに常に入れていて、普段から聞こえた英語や意味のわからない単語や表現をそのノートに書き留めていました。
そのスラングの一つが「What the hell XXXXX?」 「なに地獄??」意味は調べてくださいね。
今度はそれらのスラングを使うことになります。それも相手を罵倒します。
当時クラスメイトでフランス人がいたんですが、彼が授業のことでわからないことがあるからいっしょに勉強しようということで、カフェテリアで会う約束をしていた。
そんなとき私が寝坊をしてしまい、それも完全にその約束を忘れていました。すると電話がかかってきて、フランス訛りの英語を話す男がものすごい怒鳴り声。なんのことだか、事情がわからず、相手は自分をスラングで罵っているので、私もブチ切れてもう電話口で大げんかに・・・。すると相手の電話は会う約束だったクラスメイトの友人からで、私の対応があまりにも失礼なので代わりに電話したとのこと。そこで、「あっ。忘れてた・・・・」完全に私に非があったのです。「I’m very sorry….」
このスラングというのは火に油を注ぎます。怒った怒った。反省です。
日本の漫画やアニメ、テレビ番組などでスラングや中指立てるジェスチャーの描写をたまに見かけますね。
小学生や中学生の生徒から授業中にいきなり「先生、”FXXk you”って、こうやって使うんでしょう〜?」って私に中指立てて、質問されても困るんですけど・・・。でもそんな質問でも真摯に対応しています。「そんな言葉を使ったり、そんなことをしたら相手を怒らせることになるよ。」と。
私も当時スラングを勉強していたとき、日本の辞書は役に立ちませんでした。単語が無いし、あっても全然意味が異なる単語や表現が多いので、アメリカ人や日本人の知人によく質問していました・・・・当然中指は立ててはしませんよ。(笑)
教科書やテキストばかりが英語じゃないけど、スラングって知っていたほうがいい。それがわからないと映画やドラマなど楽しみが半減してしまいます。
ただ、使わなくても全然だいじょうぶ。もし使ってみたいなら責任をもってくださいね。
英会話勉強している人にとって、また学ぶことが増えたかも・・・・
がんばれ!
安田 英承
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