ALT(Assistant Language Teacher)っていわれる人たちのこと知っていますよね? 小・中学校や高校で、英語の授業のアシスタントをしている外国語指導助手のことを言います。平成25年度で小中高の全ALTの数は12,613人。
この数、まだまだ全日本の学校に配置するのに足りないと言われています。
ALTの先生たちと交流がある、セシルの安田です。
彼らから、日本の英語教育や各学校の教育現場の話を聞く機会があります。
どこの職場でも大なり小なり問題があるものです。
そんなALTにとって異国の地で「外国語指導助手」として働く場合、英語が話せるから、誰でもALTになれるわけでもなく、研修・トレーニングを受けて学校へ赴任されていきます。ほとんどの外国人は初来日だったり、「教える」ことが初めてである場合もあるわけです。
研修を受け、実際の現場で助手として働き始めても、すぐに辞める人が出てくるようです。
たとえば、仕事の内容が給与と割が合わない、夏休みのような長期のときに給与がないような契約の場合、アルバイトをみつける必要がある。派遣会社により契約が異なりますが、JETプログラム(国税の無駄と思うプログラム)から派遣の場合、ALTは高給・高待遇になっています。
また、基本的にアルバイトは禁止。
それと一番は、現場の先生とのコミュニケーション不足によるストレスのようです。
ALTの一人と話をしていると、ある中学校での授業のとき、UK(国)の話をしていたら英語の先生から、「UKという単語ではなく、Englandの単語をつかって指導しないと、学生たちが混乱するから注意して」とアドバイスをもらったようです。
そのALTはその先生からのアドバイスがものすごくショックだったようで、「自由に教える」という発想が日本にないのか?と私に質問されたのを覚えています。
また、多くの外国人ALTにとって、中学生より小学生のほうが自由奔放なので、指導が楽しいという声をよく聞きますね。そして多くの外国人は、日本の児童や学生はシャイな子たちが多いと言います。どう思いますか?
さて、アメリカ人の妻が中学校でALTをしていたときに、話てくれたのは、「学生に発音を教えるのが大変」だったと。英語の教科書を生徒に読ませても、カタカナ英語で一生懸命読んでいるんだけど、何を言っているのかよくわからなかったようです。でも先生や他の生徒たちはそのカタカナ英語を理解していたようです。アメリカ人に通じないけど、日本人には通じる英語。(笑)
また中学校によって英語の先生が英語を話せない、会話ができない人もいたようです。そんな学校に限って、社会や数学、体育、保健の先生の方が英語が上手だったこともあると、他のALTから聞いたこともあります。
先生とALTとのペアティーチングのはずが、コミュニケーションがお互いにとれていないならば致命的ですね。
その反面、ALTをまったく必要でない会話能力、指導能力抜群の英語の先生たちも学校によって指導されています。
だから職場、学校によっていろいろってこと。
でもALTの苦労話を聞いていつも思うのは、彼らの本当の役割とは英語を教えることや発音などを教えることではなく、日本の児童や学生たちに、「日本語が通じない経験」を提供すること。
その経験を通して、どうしたらお互いに理解できるのかを子供たち自身が考えることで、英語の授業が活きてくると思いませんか?
Good luck!
安田 英承
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