知人が愛知県にあるプリスクールに子どもを通わせた経験談を語ってくれました。
日本の「プリスクール」とは、0歳から小学校入学までの間、「英語」で保育する施設を一般的に呼んでいます。
私が運営している「英会話スクール」と、「プリスクール」との違いは、「保育をする」かどうかこと。
つまり、スクールでは授業中に子どものおむつを替えたり、ご飯を食べさせたりするような、ベビーシットのことはしません。
そして、英会話教室やプリスクールの共通していることは、子供を通わせる親の期待。
「子どもには英語ができるようになって欲しい」ことだと思う。
そんな期待を持った知人で、父親である自分の子供を小学校入学まで間、プリスクールに通わせていました。
彼は在米25年以上で、アメリカで自分の子どもを育てた後、訳あって、日本で新しい自分の子どもを育てることに。
彼の奥さんは英語ができる日本人。彼の奥さんの希望でプリスクールに入園させることになって、その後のアメリカと日本のプリスクールの違い、また日本の英語教育施設に対して苦言をしてくれたのを思い出しました。
彼の自宅から通える範囲のところにあるそのプリスクールは、地元では結構有名で口コミも良いとのことで、入園を決めた。
そもそも、両親とも英語ができるけど、家族の会話は日本語。
だから子育ても日本語が基本。
彼の奥さんが「せめて子どもが小さい間は、英語に出来る限り触れさせて、ネイティブみたいに自然に英語ができるバイリンガルの基盤をつくろう。」と考えていた様子。
ま、よく耳にする英語教育の考え方ですね。これって万国共通の親の考えたと思う。
さて、子どもを通わせてから、彼がそのプリスクールに初めて訪れたときのことを話してくれた。
そこの壁には、いろいろな証書や賞状、アメリカやイギリスの超有名大学の卒業証書などが立て掛けてあった。
それを見て、「すごいな〜」と思ったんだそうです。
彼は英語ができるから、園内で仕事している外国人たちに声をかけて、壁の証書や賞状について、質問してみたら誰も知らない、と。
「That’s a scam!(インチキ)資格詐称でしょう〜」とまで彼は言い放った。「園内には誰もそんな大学を卒業や資格を持っている外国人がいないからだよ。」と。
私自身同じ英語教育に身を置くものとして、彼の言葉にちょっと聞き捨てならん!と思ったけど、
「日本にはまだ、そういうところもあるんだな。」と変に納得してしまった。
そして、これも「プリスクールの宣伝広告の一つ」。
英語に不自由、苦手にしている大半の親が通わせている施設なので、プリスクール運営者サイドも「親は何も疑わない」、そんなスタンスのスクールが意図的ではないとしても、あるのかな。
そんなところに通せている親や子供も不幸で悲しいことだと思った。
結局、何年か経ち、そのようなスクールの質の問題が出てくると、英語教育全体まで波及してくるのは、過去の事件を見ると避けることができないから。
だから質はどうであれ、徹底した子供への配慮と安全は各施設とも充実して欲しいなと願う。
結局、彼の子どもは、小学校入学まで同じところに通わせましたけどね。
子どもはプリスクールでの生活はとても楽しく、満足したようです。それはそれで良かったと。
で、肝心の英語は、地元の小学校へ入学後しばらくしたら、全く英語を話す機会がなくなったので、英語ができなくなってしまった。彼は十分予測していたこと。
私の子どもは日本の普通の保育園とアメリカのプリスクールに一時期入園させていたけど、どちらの施設でも安全面の配慮と内容も充実で満足。
保育内容に関しては、親の目から見ると、日本の方がものすごく充実していると思う。(全施設を調べてわけではない)
彼もこれには同意していた。
ただ、私の子ども自身はアメリカのプリスクールも日本の保育園も好き、と。
もしあなたが、日本の「プリスクール」に通わせたから、将来子どもが英語に不自由しないという、幻想を少しでも持っているならあまり期待しすぎない方がいい。
また「国際感覚が身につく」とか「国際人」云々も、普段の親の生活環境と比較すればわかることです。
「英会話習得」について、親としてできることは、ずーと英語の環境をできる限り提供すること。そして、子ども自身が「英語ができるようになりたい」と思う気持ちを育むことなんです。
将来、子ども自身から主体的に英語ができるように頑張りたい、という気持ち、そんな子どもたちへのサポートを英会話スクールとしてしたいな。
Good luck!
安田 英承
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