現在の日本には、2種類の英語教育が存在すると思っています。
一つは、従来型の日本の学校で行われている英語教育:読み書き文法を主として英語を学問とした教育。
「受験のための英語」って呼んでいる人もいます。
もう一つは、英会話:聞く、話すを主とした教育。
でも、本当の英語教育とは、4技能、「聞く」「話す」「読む」「書く」をバランスよく身につけることであるはず。
そして、身につけたそれらを技術を、どの場面でも使えるようにするサポートが必要であるのに、なかなかこの環境が改善されていない。このような事態が戦後から、ず〜と変わらず今もなお継続されているようです。
だから、大学の専攻の中にまで、最近では、英語を教えている科が新設されている始末。
ある高校生から質問があったのでシェアしたいと思う。
「毎日英語の勉強を最低2時間はやっています。徹底的に勉強しようと思いましたが、英会話ができるようになるための勉強を、何から始めればいいか分からないので教えてください。」
この高校生は、英語ができるようになりたく、私のスクールに通い始めました。
やる気がめちゃくちゃ高い!なんでも挑戦したい!普段から、学校の勉強以外でも、Youtube上で流れる英語の動画や教材、NHKの英語講座を見たり、聞いたりし、普段から学習していました。
でも英会話の効果的な勉強方法がわからない。
高校の英語の授業は、読み書きが中心のため、身につけた英語を使う機会がまったくないのが、彼女の一番の問題と理解していたので、スクールの門を叩いたわけです。
学校の英語の勉強ができても、英会話ができるわけではない。
英語でインタビュー
セシルの「英会話ができるようになる」とは:自分の伝えたいことが英語で言え、わからないときに英語で質問ができることです。つまり、 どこにいても、国籍が異なるどんな話し相手でも、いつでも、英語で意思疎通ができるようになること。
彼女の理解度を把握しました。
英語で、簡単に答えることができるような、個人的な内容に関して質疑応答をすると、質問を聞き間違えたり、質問の内容を把握しても、返答に時間がかかることが多々ありました。
より正確に状況を判断するために、さらにインタビューや理解度の確認を続けました。
すると、日常会話のための最低単語数、語彙量が少ない。
知らないものは使えない。
会話の練習や英語を話す機会だけを探しても、さほど上達は見込めません。
まずは暗記です。実際に会話で使うであろう量の暗記作業が必要です。そして、暗記したものを、聞き慣れる、使い慣れる必要があります。
簡単で既知の英単語であっても、使えないものです。
英会話初心者で、学生時代の英語が得意だった場合、単語は結構な数を知っています。そして読むこともできます。でも聞き取れないし使えないから会話ができない。
日常英会話のための最低単語数1500を目指すようアドバイス。
彼女の場合、2時間勉強の確保ができるので、1日30単語を目指して、暗記作業と聞き取り作業。
それを1週間で14時間続けると、合計210単語。
7週間経って、つまり1か月半後には、1500単語弱を暗記できる計算になります。
それと同時に、中学で学習する文法の理解をしておく必要があります。彼女は所々理解できていないところがありましたが、今後の授業でフォロー。
そして、自分のレベルに合った内容の英語の聞き取りをしましょう。知らない単語ばかりや推測できない内容では、「ノイズ」を聞いていることに。
聞き取りができないと、会話になりません。
ほとんどの人は何を選び、どれが一番自分に適切なものなのかがわからない。だからあれこれと手をつけては、継続できずない場合が多い。そして「聞き取りって難しい〜」ってことになるわけです。
そこで、聞き取ってほしいレベルの英語を彼女にどんどん与えていくことになりました。
英語を使う作業の頻度を増やす
自分で考えた英語を実際に使う作業が必要です。
インプットしたらアウトプットする。
アプトプット:話す、書く作業時間を作る。
例えば、英語で作文や日記など。自分で作ったスピーチを録画するのもいいですね。
誰でも、英語が聞き取れる実感が湧いてくるはずです。質疑応答も当初は、単語での応答だったのが、3単語ぐらいの文が作れ、簡単な会話がスムーズにできるようになってきます。
彼女の場合は、普段からの自習が効いているので、不得意、上達見込みがあるようなものを補助的なものを提案しています。
このような流れで、自主学習を継続する事、そして英語を使う機会を増やすバランスです。当然自分の英語の精度を上げるために、誰かからのチェックを受けると、習得のスピードが増しますよ。
これ以外に一番効率の良い方法はないと思っています。
Good luck!
安田 英承
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