今年から英検が変わるということで、第1回目の4級と5級の受験者にスピーキングテストが導入され、また2級、準1級、1級受験者には、英語による面接以外にライティングテストも実施されていきます。
私、英会話スクールを運営していますが、個人的に英検やTOEICなどの英語能力テストの受験を薦めたり、希望がない限り奨励はしていません。
理由は、試験合格や点数獲得のためのスクールを運営をしていないから。
でも、「受験したい」、もしくは「勉強したい」という人には「英会話指導」とは別で、サポートは必要だと思っています。
スクールに通う子どもやその父兄たち、また社会人受講者から、「合格」や「スコアが上がった」などのお知らせをいただいたり、たとえ不合格でも「今度はもっと頑張る」という声をもらうと、本当に嬉しい。結果がどうであれ、英語の勉強に対する「やる気」が上がることは、英会話上達の継続面のメリットになるです。
だから彼らにできる限りなことはしてあげたいな、と心底思う。
私のスクールに通う小・中学生を観察すると、英検受験が一つの試金石、目標にしている子たちも多く、中学卒業時には、2級合格を目指している。
帰国子女の子たちは、早いうちから1級を目指しているようです。最近は、現地でも受験する子たちも多いかな。帰国して英語を忘れないように、という考え方も海外赴任している家族の傾向のようです。
社会人でも英検受験に興味ある人、実際に希望級合格のための勉強し、試験を受けた経験のある人がみんな口を揃えて言うのは、「受験生の年齢が低いな」という意見。
また受験目的は、「自分の英語力の自信」につなげたいという人や、自分の英語のレベルを客観的に把握したいという人がスクールには多いです。
英検4級5級のスピーキングテスト
2016年の第1回から上記のようなテストが実施されます。
受験内容は、絵とそれに関係する英文を読み、それについて英語で質疑応答形式。
試験官が同席する面接ではなく、コンピュータの端末を使って録音し、従来通りの一次試験(筆記とリスニング)の結果で合否の判定がされます。また受験者全員が「スピーキングテスト」の受験をして、一次試験の結果とは別に判定がされる、と。
スピーキングテストに関しては、1年以内にいつでも、自宅などどこでも受験が可能なんだそうです。
概要から、まだ模索段階かなという印象です。今後変更などどんどんあるかも。
でも、英検受験をするスクールに通う生徒にとって、「スピーキングテスト」があるかないかで、気が引き締まる様子。「英語を積極的に話すこと」に対する学習姿勢が変わるのは、良い効果が期待できそう。
特に、4級・5級の受験者は、小中学生が比較的多く、スピーキング能力や会話上達の考え方に対する真剣度も上がってくることになるでしょう。だからこれはとても良い試みだと思う。ただ、なぜ今までスピーキングの試験がなかったんだろう、というのが率直な意見だが。
ただし、今の中学校の学校の英語の現状は、依然として読み書き・文法でスピーキングの指導にはあまり力を入れていない様子。というか、現場では対応できない。
また学生たちも、今の英語学習やスピーキングの習得に対してあまり興味がない様子。
だって、進学を目指す学生たちにとって、高校・大学入試の英語の内容がまだはっきりとしていない理由もあるからでしょう。受験でスピーキングが試されないのなら、わざわざ勉強することはない、と。
また、英語の授業についていけない生徒は、英語そのものの知識がないので、従来型の会話の練習では、ますますやる気を削ぐことにもなる・・・。
だから、日本で進学する多くの日本人学生は、英会話学習は軽視になりがち。そして英語の勉強した割には、話せない人が多い、みたいな流れ。
結果、学校の英語教育だけで、英会話ができる人が昔から少ない。
でも、学生本人に英会話習得の目的や目標がある場合、結果も異なっている。
「やるか」、「やらないか」の差だね。
今後、入試にスピーキングが実施されるようになると、進学希望者は「やるしかない」。英会話が「できる」か、「できない」かで、ふるい分けられることになるような気がする。
それもどうかな〜と思うんだけどね。
さて、スピーキングテストの勉強をし、練習に練習を重ね、晴れて合格して、英語の流暢さや英語の実力は賞賛に値する!
でも、あなたが話す英語の中身とあなた自身が何者であるかの方が、もっと大切であるは言うまでもないね。
英会話スクールを運営する立場として、スピーキングテストの準備や対策のためのテクニック的指導はしたくないな、と思う。
Good luck!
安田 英承
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