親として、また英会話を指導する講師であり、また講師をサポートする英会話スクールの代表として、ちょっと恥ずかしい経験をここで告白したいと思う。
子育てで他人の子どもと比較すること
我が子は生まれてから、なかなか立って歩くことができませんでした。
近所の子どもたちは、生後6ヶ月ぐらいでつかまり立ちができる子がいました。
1歳6ヶ月ぐらいだった時は、周りの子達が歩き回っていても、床に寝転んだり、また、座りたい時には、腹ばいのままの状態で自分の両足思いっきり広げて、自分の腕で上半身を起き上がらせて座っていたな。
「体柔らか〜い」と思ったものです。
そして、ちょっと「はいはい」ができるようになり、自分が行きたいところまで距離が長くなってきた頃だった。
でも全然立ち上がる気配が全く見られなかった。
一般的な子どもが歩き始める年齢と比較して、立つことができない子どもを見て、とても心配になりネットでいろいろ調べて情報収集したり、子どもを無理に立たさせたり、歩かせようとした経験があります。
私の妻は、私の心配事をよそに、
「心配してもしょうがない」と一言。
そして子供が1歳8ヶ月の時に、地元の保健所で「1歳6ヶ月検診」があり、子どもを抱っこして連れて行きました。
そこには、同じ年齢ぐらいの子どもが約60名以上(少子化という割に、こんなにもこの地域に同じ年齢の子がいるのか!とびっくりさせられた)、部屋の中は子どもと親でごった返していました。
子供達の中で歩けないのが、私の子どもだけ・・・。
だから他の親御さん達に結構見られてましたね。周りの子達は走りまわっているのに、子どもはどこへでもハイハイ。そんな周りの子達が楽しそうにしているのを見て一緒に笑っていたし、疲れたらまた床の上で寝転がって、手足バタつかせて泳いでいましたから(笑)。
でも内心、「まだ歩けないのは遅いな〜」という「心配」が頭の中にあったな。
そしてその検診時、担当の小児科の医師が、念のため、専門的に診てもらえる病院を紹介するからと紹介状まで用意していただいた。(感謝)
その紹介状を妻に見せると「医者に診せても意味ないじゃん・・・」と、全く心配していない様子。
私:「心配じゃないの?」
妻:「あの子は立つのが嫌いかもしれないし、怖がっているかも。もしかしたら座っていた方がずっと楽で、エンジョイしてるかもよ。」
また、
妻:「足の筋肉が他の子と比べても、年齢的にまだ未熟かもしれないだけなのに、無理に立たせたり、歩かせようとするのは決していいことではないよ。」
とても冷静・・・・・。
私は、「でもな〜」と心配に思ったものです。
そんなある朝、近所のショッピングセンターへ家族で出かけた時のこと。
週末の朝ということもあり、まだお客さんがまばらだった中、障がい児の一団と遭遇しました。それもかなりの数だったかな。
みんな子どもで、ある子はベッドで移動し、ある子は重装備のヘルメットを装着して車椅子にいる子たちなどがショッピングをしていた様子。
私のそばをそのうちのひと家族が通り抜けた瞬間、
「あ!」と思ったのでした。
親である自分の価値観を勝手に子どもに押し付けている自分がいることに気づいたことでした。
それまで、自分の子どもには「普通の子」であってほしいと思ったものでした。
でも「普通」って何?と、自分の子どもに質問されたらなんて答えるんだろうと考えたら、自分がやっていたこと、考えていたことが馬鹿馬鹿しくなり、また自分の子に失礼なことしていたな〜と、急に恥ずかしくなってきたことをつい先日のように覚えています。
我が子には我が子のペースがあることを認めること、また親の価値観と子どもの価値観に違いがあり、それを認めないで他の子どもと比較していた自分が情けない・・・・。
これは、日本人だからとか、韓国人だから、またはアメリカ人だからとか、全く関係ないんです。
英会話の指導時でも、各生徒には一人一人の学びのペースがあり、それを他の誰かと比較したところで、その人にとってメリットが全くないことは十分理解していたつもりだった。でも、身近な問題として我を見たとき、本当に理解できていなかったことを、この経験を通じて気付かされた次第です。
この経験がなかったらと思うと、ぞっとする。
安田 英承
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