「何回聞いても聞き取れません!」
リスニング練習で英文を聞いてもらっているんですが、何回もリピート再生しても何を言っているのかさっぱり聞き取れない、わからない様子。
そこで音声のスクリプトを書かれた英文で見せると、
「え〜、絶対にこんなようには言ってない!」と
ものすごく反論される方が多いので、
同じものを再度再生すると、
「あ〜本当だ、聞こえるわ〜。」
またある生徒さんは、
「やっぱり聞き取れない・・・」
私のクラスを受講していただいている生徒さんには、リスニングの練習をめちゃくちゃしてもらっています。
初心者でも学習経験者でもです。
特に、Dictation practice:(ディクテーション練習)。
“dictation”とは、「書き取り」のこと。
私は生徒さんに、スクリプトを見せず音声だけを宿題として渡し、聞こえた英文を文字に起こしてもらう、書き取ってもらう。
私の体験談
私がアメリカで生活を始める20年以上前、英語はさっぱりできませんでした。普通に中学、高校と授業を受けていたけど、高校の時の英語はひどいものだったな。
高校を卒業し、アメリカへ行くのに英語が話せないのはまずいので、多少なりとも英語の勉強をしないとと、始めたけど何から勉強したらいいのかさっぱりわからなかった。
だって、学校の教科書や参考書、問題集や受験対策の英単語・英熟語本は身の回りにあったけど、これをもう一度復習しても英会話は上達しないだろうな、と。
あと、子供用の英語教材が自宅にあったけど、それには日本語の説明が多く当時の自分にはあまり効率的ではないなと思った。そこで父親が使っていた(?)英語の本が自宅の本棚にあり、付属のカセットテープを見つけた。
父はいつも、「何回も聞く練習をしないと上達しない」と話していた。韓国人の父なので、日本語が話せるようになるための苦労がわかっていたんでしょう。それが英語でも同じ原則だということ。
その本はアメリカで出版されていたものらしく、すべて英語で書かれていた(当然だが)。
本を開いた瞬間、「う〜、難しそう〜。」と思った。
でもよく文字を追ってみると、簡単な単語ばかりの日常生活の会話。日本語訳はなかったけど、多分こんな意味だろうな〜というのは、中学生レベルでも理解できました。
当時、初代のソニーのウォークマンでそのカセットテープを聞いていました。
でも、何回聞いてもさっぱり英語が聞き取れない・・・・。
文字で読めば理解できるのに、聞くと理解できない。なぜならカタカナ英語しか知らないから、発音がまるで違う。スクリプトを見てもわからないのは、しょうがない。覚えるしかないな。
でも、次第に何回か聞いていると、「へ〜。こうやって発音しているんだ〜」ということが気づくようになりました。
その本は結構な量で、途中から、
「よっしゃ、今度は、本を見ないで音声だけで内容を理解してみよう〜!」と思ったのです。
でも、数日かして、どうしても聞き取れないから、「何を言っているのか知りた〜い」という誘惑に負けて、本の英語を見てしまってました・・・。
これでは、「いかん!」と思い、また新しい会話文を音声だけで聞く決心をしました。
当時私は、アメリカでの生活準備費を稼ぐために朝から夜まで毎日ず〜とバイトに明け暮れていたので、机で勉強できませんでした。(勉強するタイプでもないのが本当だが)。
だから、このウォークマンは本当にありがたかった。バイト先まで原チャリ運転中にも聞けたし、どこでも聞けたからね。
ただ問題があったのは、聞いたものをすぐに忘れてしまう。
だから面倒くさいけど、聞こえたものを書いてみようと。書きとりを始めたら、なんか全然意味がわからない。スペルも適当なのは当然として、文法も違うんじゃないか?知っている単語のはずだけど、どうしても違うように聞こえる。まったく何言っているのかわからないところもあったけど、本を開けることをひたすら我慢して同じものをず〜と聞いていた。もう意地になって聞こえるまで続けてみた。
辞書も使ったりして、聞き取れないところを調べたり、参考書とかでも調べたり、とにかくわかるまで何でもやってみました。
すると、ある時「あ!これかも!」という確信を得る瞬間があるんですね。
そうなると、もうこれ以外の英語は耳に入りません。それでもしばらく聞き続けました。
そんなリスニングの練習をずっと続けていました。
そして英会話業界に入り、自分がしていた勉強法が「ディクテーション」と言うのを知って驚かされた。
この習得法は、めちゃくちゃ面倒くさいし、「知りたい」という誘惑に負けそうになるし、上達したと感じるまで時間がかかるけど、英会話習得だけでなく、どの言語習得にも有効だと思います。
とにかく何回も聞いてみてほしい!リスニングが楽しくなるので、結構オススメ。
安田 英承
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