私の英会話スクールに学びに来る子供達に、毎年年度末に「成績表」を講師が作成し、それを配布して、父兄に英語学習状況などの話をしたりしていました。
ただ、ず〜とこの成績表に違和感があって、悶々としていました。(告白)なぜならどうやって生徒の発話能力を客観的に公平性を保って測定したらいいのか。
英語が上手に話せるようになりたいと思っている子供達は、上のレベルを目指しているけど、その「レベル」をどうやって測定したらいいのか?って話。
テキストにあるダイアログや単語を丸暗記したものをテストした結果がその子のレベルではないと思う。
確かにダイアログや単語などの反復、暗記は重要なトレーニングで、実際の会話の場面で使えるようになるための基礎にはなるけど、ただ話せればいいというのであれば、訓練を積んだ九官鳥になってしまうでしょ?。
英会話講師の皆さんとミーティングでこんな質問したことがありました。
「想像してください!目の前に子供がいます。この子が英語を話そうとしていますが、この子が英語ができているか、できないか、というのはどこで判断しますか?」と。
すると、みんな色々な答えが返ってきた。
外国人講師や日本人講師たちの会話ができるという考えは、「きちんした文で話すこと」、「単語でもやりとりができること」、「流暢さがあること」、「人の話す英語が理解できること」などなど。
「発話能力:言語を話せる能力がある」という意見について表現は違うけど、諸外国基本一緒だと思う。
ウィキペディアで「会話」って調べると
会話(かいわ)とは、2人もしくはそれ以上の主体が、主として言語の発声・手話・ジェスチャーなどによる意思表示によって共通の話題をやりとりするコミュニケーションや、あるいは話をする行為全般(内容・様式など)のこと。
そして次の質問は、「その子の父兄が皆さんに、今の英語発話能力、レベルについて質問されたらどのように答えますか?」
すると、答えはみんなバラバラだった。私自身も含めて、講師たち自身の物差しで英語発話能力を測っていたんですね。
例えば、「英検」など英語テストを受験をしてもらい、その合格級でその子の英語発話能力を図ろうと思っていたこともありました。でも、各級の合格者でも話せない子はいるし、結構上手に話せる子もいる。つまり英検などのテストは全然発話能力を測定できない・・・・。
また、世界には国際標準の英語能力レベルが存在します。
それを基準に発話能力について、「あなたのレベルは、中級レベルですね」とか「初級のちょっと上」と評価しても、子供たち自身がピンとこないし、父兄に伝えても、「ふ〜ん」で終わり、不発。全く噛み合っていないし、伝わっていない。
「だから何?」ってこと。
先の講師たちの発話能力の評価基準も、講師自身の「カン」や「今までの経験則」を頼りに、評価していることがほとんどなんですね。
だからみんなバラバラの結果。
公平性を持った評価基準とその中身、テスト方法、またテスター(評価者)の結果にばらつきがないよう、テスター自身がしっかりとトレーニングされていないとダメだと思った。
公平性がある評価によって発話能力を知ることができれば、講師が何を指導したらいいのか、そこからたくさんの情報を得ることができるはずです。
ただし、これは生徒にとってあまり重要でなく、むしろ、子供達にとって重要なのは、「道端で会った外国人を英語で助けてあげたい」とか「外国人の友達ができるようになりたい」みたいに自分のしたいこと、できるようになりたいことから今の英語能力を比較させてあげると、今の発話能力の状態を理解しやすいのです。
具体的な考えや目標は、結果に個人差はあっても子供達自身が納得できる成績表となります。これが「レベル」ではないかな、というのが今の私の考えです。
英語の発話能力について過去と現在を比較し、「できるようになったこと」、「これからできるようになりたいこと」について、自分で考えてもらうことをとても大切しています。
安田 英承
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