今回は、子どもの英会話学習のための文法について。
まず文法とは、なんでしょうか?
ちなみに、英語の問題を解くために必要な知識ではありません(笑)。
大辞林 第三版の解説より
ぶんぽう【文法】
- 言語を文・語などの単位に分けて考えたとき,そこに見られる規則的な事実。文法的事実。
- ① の事実を体系化した理論。文法論。
- 文章の作法。文章を作る上でのきまり。
この解説からわかるように、英語が使えるには、文法を勉強をする必要があります。絶対知らなければなりません。なぜなら、#1の規則的な事実、約束事があるので、これを無視すると、相手に通じません。例えば、I love you. が You love me.になっては意思疎通が図れません。
また文法は#3の示す通り、何か文章を作るとき、伝えるとき、また読み書きするときに文法力が発揮します。この力のある人は、英語力があると言えます。
私たち日本人が、母国語である日本語を話しているとき、文法:規則性を考えながら伝えることはありません。しかし日本人でも規則性だけで日本語を話しても国語力がない人が多いのも面白いです。例えば、会話やメールでのやり取りに主語がないので、何について話しているのか当の本人はわかっていても、聞いている、読んでいる人にすると、さっぱりわからないような、そんな日本語を使う日本人が多い。私もよく妻から注意されます。「5W+1Hがない!」と。(だれ、いつ、なに、どこ、なぜ、どのように)
話しを戻して、この文法:規則性に関して、英会話を習得する人の目標は、文法を気にせずに話せることも一つ。なぜなら文法を気にしながら会話をすると、なかなか流暢にはいかないのが、想像できるでしょう。
ただし、日本人の英会話学習は、「文法的間違いのない」英語、「正しい」英語を伝えることが自然と目標になっている人が多いようです。
多分この考え方は、日本の英語教育から発生しているような気がします。なぜなら、学校の英語のテストは日本語の問題文から自分の知識に照らし合わせて、正解かどうかの答えを導き出す訓練を6年以上しているので、会話上の文法の間違いが気になるのは当然です。だから、会話する前から文法の間違いを気にしてなかなか話すことができない人もいます。「正しい英語=正解英語」
この文法:規則性を理解し、それを使えること。
わかりますか?英会話のための規則性。
会話のための英文法:規則性習得の学習は何をしたらよいのか?
日本語を話すときに規則性を考えながら話しません。つまり話す前に準備することはありません。しかし英語を話す時、その会話の中で準備が必要です。
その準備とは、「なにを伝えるか」ということ。
この「なに」を単語でもいいので、伝える、口に出すことが必要です。
この単語を知らないと会話になりません。だから言葉の数を増やして、それらを普段から1つの単語でもいいので会話でやり取りができるように使い慣れていなければなりません。
Yes, No, OK, Hi, なんでもいいです。とにかく質問された、伝えられた英語に対して反応ができるようにすること。これを第一の目標のために練習、慣れておくことです。英語がわからないのかどうか、なにがしたいのか、なにを感じているのか、それらを伝えないと会話が始まらないのです。
子ども年齢と理解力によって、文法の説明しても、嫌がられる場合があります。というか、説明しても理解できない。だから文法的説明よりも英語に反応ができるようにすることに焦点を当てること。ただし、子どもの理解力によって文法的説明が役に立つこともあります。
また、”May I borrow XXXX ?”, “I want XXX.”, “Look at XXX !” のようにたくさんのフレーズが使えるといいです。
子どもにしてみると、”May I XXX ?”は 一つの単語、かたまりと思っている場合もあります。
“How are you?” と普段何気に話している表現を書いて見せると、「3つの単語になっていたんだ〜。」とびっくりしていた子がいましたね。その子にすると「元気?」という日本語は一つの言葉になっていたからでしょう。
それらの表現を場面状況に合わせて、子どもが使いたいときに使えるようになっていること。いつでも、どこでも、だれとでも、なんどでも
子どもが日本語で「XXXを開けて。」と要求されたら、「English, please.」と子どもに考えさせることから始めるのもいいでしょうね。子どもがわからなかったり、知らなければ、それを教えること。もし子どもが英語で伝えることができたら、それに対して英語で反応してあげること。子どもが伝えることができても、その相手が無反応だと、子どもにとって楽しくないですから。
これは、幼児が話し始めた時期に、親が子どもに言葉を教えることと同じで、その言葉を英語にしただけです。
子どもが自ら英語を調べられるやる気と好奇心、調べる方法の知識を持ち合わせていれば、英語が苦手な親として楽ですね。そんな子は、まわりの大人が何も言わなくても、一人で上達していきます。
でも子どもの英語に対する好奇心とやる気があるのに、調べる方法がないと、まわりの大人に頼るしかありませんね。みじかな存在である親として英語が苦手な人は、誰かに質問してください。自分で調べてください。そんなことしていたら、英語嫌いの人は、ますます英語嫌いになりますが、・・・・
だから、子どもに英会話ができるようにさせるには、親としての「覚悟」が必要です。
結果?
この作業を続けていると、子どもの中で英語の規則性が自然と理解し、日常会話の中で使えるようになってきます。それも子ども自らが知識としてある単語を組み合わせて伝えることができるようになります。
この時点まで英語に聞き慣れている、単語でもいいので普段から使い慣れている子どもは、あるとき突然に英語で話し始めることができるようになります。そのときの英語には、文法:規則性がない場合が多々ありますが、単語がたくさんでてきて、とにかく必死に伝えようとするので、聞く側は、何を伝えようとしているのか、少なくとも理解ができ、それに対して反応することができるので、英語での意思疎通ができるようになるのです。
さらにその作業を継続して、年齢相応の知識を英語で伝える能力を伸ばし、TPOに合わせた表現を身につけていくことになります。そう、英語力を上げていくことになります。日本の環境の中では、地道な作業となりますが、それが一番効果的だと思います。
会話ができるようになるためのショートカット、近道はありません。
大人の人でも英会話習いたてのころは、知っている単語やフレーズでなんとか会話しようとしますね。子どもがすることと基本は同じなのです。
がんばりましょう!
Let’s get moving!
安田 英承
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