「クリティカルエイジ」までの子育てと、その後

幼児早期英語教育で、Critical Period Hypotheses（臨界期仮説）を用い、子どもを英語のバイリンガルにするにも、年齢の早い時期から学習を始めたほうがよいという。またカナダの脳外科医ペンフィールドが言語早期獲得説を唱っていて、この考え方が世界中で知られています。

ただ早くから英語学習を開始したり、英語環境に子どもにいさせても、「クリティカルエイジ」と呼ばれる年齢があって、バイリンガルになれるには、幼児期から１０歳（７〜１０歳の場合もあり、個人差はある）の壁を超えて、継続して使ってきた英語能力は、大人になっても英語には不自由はしないし、ネイティブ並みの英語力を発揮できると言われている。

また１０歳過ぎて始めた英語は、バイリンガルにはなれないと言います。つまり、一般的に言われている大人の脳とほぼ変わらなくなります。「頭が固くなった」の類のことです。

ハワイ、パールハーバーにある、「Battleship USS Missouri Memorial」
神風特攻零戦が戦艦ミズーリに体当たりする直前の写真。その後爆発せずに戦艦に体当たりして飛行機がバラバラになり甲板に散らばったときの部品の一部がミズーリの艦内に展示されていた。

英会話ができるようになってみたい子どもから社会人までサポートしている、セシル英会話の安田です。

この仮説は、言語に特化しています。

でも、個人的には、このクリティカルエイジは、言語だけでなく、運動能力、生活習慣、躾、考え方、性格も含めて、１０歳前後までの小子育てが、その後の、子どもの人生のベースを決めてしまうような気がします。

これは、私の推論であり、信じていることでもあります。

人の味覚や色彩感覚、バランス感覚もこの時期までの環境が、その後の人生に大きな影響を及ぼすだろうな、と思っています。

言葉では、なまり。名古屋弁。なかなか訛りはとれないだろう。

運動では、例えば自転車乗り。１０歳過ぎて乗り始めて乗れるようになっても、しばらく自転車を乗らなくなって久しぶりに乗ろうとしたら、怖くて乗れないだろう。でも１０歳前から乗り始めて１０歳を超えたら、体にバランス感覚が染み付いているので、いつでも乗れるし、怖いとも思わないはずである。

味覚は、おふくろの味。子どもの頃からコンビニの弁当ばかり食べさせられたら、どうなってしまうか想像つくだろう。

そして１０歳前後を境に、個人差は当然あるけど、急に母語の量が増え、しゃべる内容についてもそれまでとは違う感覚を受けます。

子育ても同じで、赤ちゃんのときから親から受けた躾、考え方、生活習慣、物の見方などは１０歳を過ぎて、同じ環境で育てられれば、その時まで受けたこれらの影響や、なにか正しくないことがその時までに躾けられたりしたら、その後、取り返しのつかないこともあると思う。

逆に、１０歳を過ぎた子どもに対して、親が「あーしろ、こーしろ」と子どもに小言を言ったり叱ったところで、聞く耳もたないだろう。つまり、クリティカルエイジを過ぎた子供のために、しつけができることは殆ど無いであろう。

その年齢の子どもは知恵もつくし、親の言うことを「いまさら何を言ってるの？」と１０歳までに子どもに教えてこなかったツケがまわってくるのが落ちです。

だからクリティカルエイジの年齢までに子どもを手塩にかけて、厳しく育てることは、その後の、その子の人生のためにも大切だと思っているのです。

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安田　英承

代表 ： セシル（CECIL）

１９７０年、日本国生まれ。「セシル」代表。英会話スクール、留学斡旋、翻訳・通訳業務、日本語教室運営を名古屋中心に行っている。韓国人と日本人のハーフで、妻はアメリカ人。１児の父。ハーレーとアメ車好き。 別アカTwitterで「ハーレー英会話」してます。

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