「地上最強の男」世界ヘビー級チャンピオン列伝
を読破した。
ボクシングの歴代チャンピオンについて書かれている。ただそれだけでなく当時の時代背景、特にアフリカ系アメリカ人の歴史とボクシングがどのようにスポーツと認められたかの経緯などが描かれています。
本の中には、多くの歴代のチャンピオン名とその対戦名が記載しているので、途中で一休みしてしまうと、名前を忘れてしまい、再度読み直すハメになる。でも飽きさせません。
個人的にボクシングはあまり興味はなかった。
でも以前バイトの職場の社長が、プロボクシングのジムのトレーナーをしていて、現役とリタイアしたボクサーと一緒に少しの期間働いていた。
彼らの厳しいトレーニングと、名古屋のクソ暑い夏に、上下ウィンドブレーカーを着て仕事をしながら減量をしている姿を見ていた。そして実際に試合に観戦しに行った時は、リング最前列には、あちらの世界の危ない人たちが陣取り異様な雰囲気であったことを今でもよく覚えている。
また、大学の体育館に行った時、そこのボクシングサークルのメンバーがサンドバックに打ち込んでいた。彼らの練習が終わって、プロのボクサーのバイト仲間にサンドバックを試しに打って見せて欲しい!と興味本位で頼んだところ、先ほどのサークルのメンバーが打ったサンドバックの揺れ方とは比べものにならないほど左右に大きく揺れ、パンチ音も「ドスン、ドスン」と先の「パチン、パチン」と違い、こんなパンチ喰らったらひとたまりもない!と、彼らを怒らせたら危険!と思ったものです。
この本は、「マイクタイソン」のことが少し書かれているけど、モハメド・アリまでの歴代のチャンピオンのことが列挙している。
先日亡くなったファッションデザイナーの高田健三氏。彼の功績を亡くなった後に知った。同じように、2016年に亡くなったモハメド・アリも晩年、パーキンソン病を患っていたぐらいしか知らず、この本を読んでから彼がとても興味深い人物であったことを知った。
また昨今のアメリカ国内の「Black Lives Matter」でアフリカ系アメリカ人への人種差別を無くす運動のはずが、暴動、略奪へと発展し大損害を引き起こしていたのは記憶に新しい。このようなデモがあるのは、いまだに差別が無くなっていないぐらいアメリカの闇は深い。
そんな今の時代と絡めてこの本を読むと、もっと面白い。
英会話ができるようになってみたい子どもから社会人までサポートしている、セシル英会話の安田です。
「Jack Johnson」、初めて聞く名前だった。
アフリカ系アメリカ人で初のヘビー級チャンピオン。
またこの本で初めて知ったことは、ボクシングの世界に「Color Line」というものが存在していたこと。
「Color Line」とは、当時のアメリカ社会を知る必要がある慣習だった。
アフリカ系アメリカ人は奴隷としてアメリカに連れて来られ、白人社会からは人間として認められていなかった。レストランに行くのも入店を断られたり、バスに乗車すること、選挙での投票も読み書きができるかどうか確認されてから投票することが許された。
白人社会に対してJack Johnson自身は少年時代、差別を受けた経験もなく、白人の子供たちと一緒に貧困生活をしていたようです。
また黒人ボクサーが白人社会のチャンピオンとは比べ物にならないほど強かったこと。その真実を絶対に認めたくないことがアメリカ社会の根底にあった。あと、Jack Johnsonがあまりにも強く、白人のファイターは対戦したくなく、負けを晒したくないことが本来の理由から、この「Color Line」を宣言して、白人選手が対戦を拒否できる制度であった。
アフリカ系アメリカ人に対するメディアや一般の偏見を払い除けるほどのタフネスさと、世間を動かすほどの曲げない言動とパフォーマンスをJack Johnsonはあった。彼の成功を面白いと思わない白人の妬み、やっかみを買っていた。その反面、肌の色とは関係なく、実力と本物の勝者であることが、アメリカの黒人に対する世論をひっくり返ったきっかけを作った人物であった。
勝者をアメリカ社会は常に認めている国である。
ただし世界チャンプになっても、黒人の存在を認めていなかった。
彼の現役時代の女性遍歴が、全てきれいな白人女性ばかりであったこと、これがさらに白人社会の妬みを生んだ。その時、女性を州外に連れ出すことを禁じた「マン法」というものがあり、それに犯したと、Jack Johnsonは不当な有罪判決を受けてしまった。
どう考えても、彼はアメリカ国家にはめられたとしか思えないほどの冤罪であった。
そして、彼はなんとチャンピオンタイトルを持ったまま国外に逃亡し、白人女性と結婚してヨーロッパや南米を遠征し、当時ヨーロッパで始まった戦争から逃れながら移住を続けたが、最後は1920年に自首し、刑務所に収監されてしまった。
夫婦で旅行してどうして刑務所に・・・。
この判決が長らく不当なものとして、最近までずっと議論されていたんだそうです。
そしてJack Johnsonの恩赦に向けて様々な人たちが国に働きかけていたのでした。
その一人がなんと、Sylvester Stallone(シルベスタースタローン)氏、「ロッキー」であった。
そしてもう一人が、トランプ大統領。
日本のメディアでは、トランプ氏は荒くれ者、曲者のイメージを定着させたいのか、また「Black Lives Matter」の人種問題も含めてひどい大統領として報道されているようだけど、スタローンがトランプ大統領に、恩赦の説得をしていました。
その時のトランプ大統領のツイッター。
Sylvester Stallone called me with the story of heavyweight boxing champion Jack Johnson. His trials and tribulations were great, his life complex and controversial. Others have looked at this over the years, most thought it would be done, but yes, I am considering a Full Pardon!
後になって、大統領は恩赦のための署名をし、ついにJack Johonsonの名誉が100年経って回復された。
こんなことがあるんですね、アメリカには。
前大統領のオバマ氏の時にも恩赦の話があったにもかかわらず、彼は署名しなかった。
皮肉なもんです。
勝者は勝つ。
Jack Johnsonのほか、Joe Louis、そしてMuhammad Aliについてもこの本には書かれている。彼らアフリカ系アメリカ人の勝者の血と涙の歴史、そして「黒人」が市民として認められたアメリカ黒人史を読み終わった後、
第二次世界大戦のアメリカに存在した、日系人部隊(442nd Regimental Combat Team)を思い出した。
日本とアメリカが対戦したことで、日系アメリカ人が人種隔離政策で収容所に入れられ、市民権も取られた。それを取り戻すために、日系人の若い男たちが率先して入隊を祈願し、戦争最前線の斬り込み隊として送られ多大な死傷者を出しながらアメリカの勝利を導いた。
彼らの流した血が無くして、日系人の今ある地位はなかったはずである。
アメリカの近代史を別の角度から知ることができるおすすめの1冊です。
スタローン氏が「ジャックジョンソンの半生」について映画にする話があるんだとか。
商売上手だな〜。
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安田 英承
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