Meredith’s Butterfly Effect:公民権運動家で黒人学生ジェイムズ・メレディスのバタフライ効果

英会話上達
ハワイ、パールハーバーにある、「Battleship USS Missouri Memorial」 ミズーリの艦内に展示されていた日本政府発行のフィリピンのお札。

the Butterfly Effect:バタフライ効果とは、もともと、

「世界のあるところで一羽の蝶が羽をばたつかせたら、他の地域でハリケーンをいずれ引き起こすことがある。エドワード・ローレンツ」

どの蝶の羽ばたきでハリケーンを起こしたのか、わかりっこない理論だけど、よく小さな力が大きな力になることの例えに使われています。

ハワイ、パールハーバーにある、「Battleship USS Missouri Memorial」
ミズーリの艦内に展示されていた日本政府発行のフィリピンのお札。

英会話ができるようになってみたい子どもから社会人までサポートしている、セシル英会話の安田です。

昨今、Black Lives Matterで、黒人が警察に殺されたことがきっかけでまたアメリカ中が混乱しています。

それがなぜか日本にも飛び火して、日本も差別国家のレッテルを貼れてる、もしくは自国民が言っていたり、マスコミが垂れ流しているのを見聞きします。最近ではNikeまでもコマーシャルを流しているようです。

1962年の時のアメリカの人種差別の話。

黒人のジェイムズ・メレディス(Meredith)氏が長く勤めていた軍を引退し、29歳のときに地元の名門、ミシシッピ大学に入学を希望していました。

そして彼が初めて入学願書が認められた黒人になりました。

しかし、当時のミシシッピ大学は白人のみが受け入れられていて、軍に所属していたときもアメリカ人として勤めていたのに、当初は大学は受け入れてくれませんでした。

ちなみにミシシッピ大学はその州で唯一黒人入学を拒否していたんです。

彼は大学を提訴します。しかし地方裁判所の裁判官はなんだかんだと理由をつけて判決を引き伸ばしていました。

しかし連邦最高裁が、入学を認めないのは違法である!と判決をくだしたとき、すでに暴動が各地で起こり事態はどんどん大きくなっていき、アメリカ全土で注目されることになりました。

さて、Meredith氏が軍を退役してまで、アメリカの人種差別に戦いを挑んだのはなぜでしょう?

このバタフライ効果の小さな力はなんと!日本と縁があったんですね。

彼の書いた本の中の「A Mission from God: A Memoir and Challenge for America」に、彼の日本での体験談が書いてあります。

軍に所属していたとき、東京の近くの立川で「アメリカ・ミシシッピ州の白人至上主義に喧嘩売ったる!」と思い立ったのです。

それは日本での3年ほどの生活で、一度も黒人であることを自身劣っているとか、どの人間も平等であることを日本人から教えてもらったと言っています。

日本の田舎町を歩いていたら、男の子が話しかけて来て、自分はアメリカ南部出身だと伝えると、その子は、「南部は黒人にとってひどい場所だと聞いているよ」と話したんだそうです。

その時の言葉がMeredith氏にはあまりにもショッキングだったのと恥ずかしさから、黒人差別撤廃運動を始めたきっかけになったのでした。

しかし、白人至上主義をなんとしても死守したい州知事、判事、地元の警察、実業家、マスコミ、更に秘密結社のKKKも各地から武装参戦し、暴動が起こり、死者が出ました。

そこで同時のジョン・F・ケネディ大統領は、軍隊を投入します。

Martial law :戒厳令でした。

当時のミシシッピ州の人口とおなじ数の武装した州兵、軍隊、警察を結集させ、いつでも鎮圧できる状態にしました。

そして、大統領令で、ミシシッピ大学へMeredith氏の初日の授業には、連邦軍、州兵、警察とあらゆるボディーガードをつけて参加させるようにし、卒業も果たしました。

日本での体験がきっかけから、アメリカ全土まで人種差別撤廃の運動へと発展したのはまさに、バタフライ効果だよな。

ちなみにMeredith氏はバリバリの共和党支持者。保守のイメージなだけに白人至上主義を堅持したい派の気がしたけど、これもマスコミのイメージ操作なんだろうな。

でもアメリカの人種差別は根がまだまだ深いなと思う。


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安田 英承

1970年、日本国生まれ。「セシル」代表。英会話スクール、留学斡旋、翻訳・通訳業務、日本語教室運営を名古屋中心に行っている。韓国人と日本人のハーフで、妻はアメリカ人。1児の父。ハーレーとアメ車好き。 別アカTwitterで「ハーレー英会話」してます。

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