新規生徒が入校することになり、担当の英会話講師と話をしていました。
小学生で、もう直ぐ海外へ家族で長期駐在することになり、英語に少しでも慣れてもらいたいという理由で、英会話を勉強することに。
その講師が言ったことが、「あっちに行けば直ぐに話せるようになるのにね〜。」と。「Practice makes perfect(習うより慣れろ)でしょ、子どもは直ぐに話せるようになるよ。」と話してくれました。
Practice makes perfect(習うより慣れろ)
これって英会話習得に当てはまるのかな?とず〜と考えていた、セシルの安田です。
これって、何でなしで使っていることわざです。その講師が言っていた意味は、「海外に行けば、子供は自然に話せるようになるのにね。」ということ。
自然に話せるようになるのか?と。
「習うより慣れろ」の意味は、「物事は、人に教わるよりも自分で直接体験した方が身につくということ」。
この物事を英会話に置き換えると、
「英会話は、人から教わるよりも自分で直接体験してゆく方が身につくということ」
どんな人でも直接体験したほうが身につくのでしょうか?
幼児期の母国語がまだ発達段階にある子供の場合
この時期の子どもは「教わらなくても」、英語環境さえ整っていれば、子供の意思や努力関係なく、英会話が自然とできるようになります。でもその環境に馴染めないと、なかなか身につかない。
だって外でお友達と遊ぶより、一人でおうちで遊びたい子はなかなか英語が上手になりません。
例えば、私の子どもがアメリカにあるプリスクールに夏の間通っていた時のこと。中国から来た子がいましたが、この子は初日からずーと泣いて、一人ぼっちでした。その子の両親も英語ができませんでしたので、この子も英語がさっぱりでした。結局最後までみんなと馴染めなかったし、英語を聞く、話す機会もなかった。
小学生、中学生以上の子どもの場合
この時期の子どもが海外に行けば、英語に慣れて、話せるようになるのか?
国内にいた時、彼らは日本語で不自由しなかったのが、環境が変わり急に不自由になります。そんな彼らが、英語は人から教わるよりも自分で直接体験してゆく方が身につくということなんてあるのかな?
英語を直接教えてもらうようなESLプログラムが現地で全くない場合、その年齢の子供たちは、親に頼ろうにも、親が英語ができないから自分でなんとかするしかありません。そんな葛藤がずっと続く生活想像できますか?
そんな状況を少しでも打破したい、生き抜く子は、学校や近所の子と遊ぶ場面で、ローカルの子が使っている英語を聞き取って、それを自分なりに推測して、それを知識として身につけて、実際に恐る恐る使ってみたら通じたので、自信がついた!その後結果的に、日常的に使い慣れたということの繰り返しだと思う。
つまり、いきなり「慣れる」ことなんてない!でしょう。
「すぐに慣れる!」みたいな考え方や姿勢で、出国前の生徒に指導するのはどうかと思い、私の考えと思いも講師たちに伝えた経験があります。
英語そのものの指導も大切だけど、出国前のナーバスな子には、いろいろな考え方や心理的なサポートもとても大切だと思う。
「習うより慣れろ」には、「習う」ことなしに「慣れる」ことはないし、「習う」ばかりで「慣れる」機会がないとダメ。
卒業をしていい年齢なのに、ず〜と大学(在学期限まで)にいて、学んだことを全然仕事として発揮しない人。
仕事の場面でも、理由や理屈がわからなくてもいいからと、まずは「見て慣れなさい」みたいなことを言う上司。
英語をず〜と勉強しても、習った英語を実際に使わない日本の英語教育や日本人学習者。
要はバランスです。
「Practice makes perfect.」って「習うより慣れろ」と訳されているけど、ちょっと違うような気がする。「普段の練習の継続がことを成し遂げる。」ということ、「継続は力」の方が合っていると思う。
英会話習得も、練習の継続を普段からすれば、誰でもできるようになる、ってこと。
Good luck!
安田 英承
最新記事 by 安田 英承 (全て見る)
- 英語が話せるための教材の選びの心得 - 2024-04-12
- 英語で質問できる力を鍛えることは大切 - 2024-03-29
- 日本人のレベルに合わせた英語テスト:TOEIC - 2024-03-19
コメント