学校の必須科目として、今は小学校から英語が導入されることになり、名古屋市では、小学校3年生から「英語が話せるなごやっ子の育成」として、平成27年度から、3、4年生には、年間4時間の英語活動を、5年・6年には外国語活動アシスタントを派遣し、年間35時間の外国語活動として実施しています。
名古屋市教育委員会の小学校英語導入の目的として、
「聞いたり、話したりするコミュニケーション能力を向上させることを目指す。」
とのこと。
中学生になると、週3時間から4時間になりました。中学校学習指導要領によると、「英語で話すことに慣れ親しみ,初歩的な英語を用いて自分の考えなどを話すことができるようにすること」としています。
元々は
平成14年7月に文部科学省によって策定された「『英語が使える日本人』の育成のための戦略構想が基本となっています。
今までの流れを見ると、英語から日本人は逃れることができません。また英語が話せないと将来的に国際的に生き残れないという懸念からの発想です。
『英語が使える日本人』
日本人は今後、生き残れないのでしょうか?本当にそう思いますか?
私はそうは思っていません。
英語ができなくても、日本は将来生き残れる確信があります。
なぜならば、公用語としての確固たる、日本語があるからです。日本語があるから、これからの将来なにも問題、心配はないと、言い切れるのです。これは、歴史を見れば理解できることです。
日本人全員が英語を使えなくても良いと思う。
国として問題はなくても、日本人個人として、英語ができないと問題かどうか?
私は、なんとも答えることができません。英語が必要な場合がある人にとって問題ですし、必要でない人は、英語ができなくても問題ないからです。
私は、日本国には、「英語が使えるようになりたい日本人のためのだけの教育的発想」が必要だと思っています。
つまり、学校では、英語だけでなく、中国語、韓国語、ロシア語、スペイン語など、選択ができれば、楽しいでしょうね。小学校では、もしかしたら英語ではなく、スペイン語の方が人気があるかもしれません。中学校になると、知っている漢字の量も増えるので、中国語を勉強した方が楽と考える学生が増えるかもしれません。高校生はK-POPやドラマなどの影響で韓国語が人気になるかも。
よって、英語が使えるようになりたい学生が、自主的に選び、勉強できる環境がある。そんな選択が進むと、もしかしたら、将来、学生や世論は「学校で使える英語を学びたい」という発想になるかもしれません。私が言っている「使える英語を学ぶ」とは受験のための英語ではありません。今も学校の現場での「知識偏重型」、そして、その成果を試す、従来型の入学試験のための英語ではありません。
英語が使えるようになりたい人のみを育成する発想が必要だと思いませんか?今の文部科学省では、「管理・管理・管理」で、がんじがらめなので、教育に関する改革はあまり期待していません。0%です。
平成14年から『英語が使える日本人』の目標ができて、10年以上経った今、英語が使える日本人の数は増えもせず、減りもしていません。であるならば、小手先の変更や授業数を増やしたり、教科書の変更、外国人アシスタントの大量投入したところで、今から10年後も『英語が使える日本人』の数は変わらないと思う。
日本の子どもたちや現場の学校の先生たちが犠牲者のような気がしてなりません。
安田 英承
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