「留学」というと、何かを学ぶ目的を持って、ある程度の間、他国で滞在することを意味しますね。
私自身もアメリカ、シアトルで留学経験があります。
私の英会話スクールに通う小学生や中学生の子どもたち10人ぐらいを一緒に、夏休みの3週間アメリカ、シアトルへ、Chaperone(付添人)として日本から引率したことがあります。
仕事だったけど楽しかった!
あの時の経験は今でもいい思い出です。
引率した子どもたちも有意義な滞在だったと思う。
小、中学生の子ども一人に旅をさせるその親御さん(親自身が日本から出たことがない人もいたな)の決断力と、子ども自身が「海外に一人で行ってみたい!」という冒険心のある子達と一緒に現地で生活できたのは、本当に素晴らしかったな。
このプログラムの開催目的は「英語習得」と「異文化に触れる」ことでした。
現地では、朝から夕方までランゲージスクールに通い、授業後やウィークエンドは各自ホームステイ先でホストファミリーと一緒に生活する3週間でした。
私は先生達やホストファミリーと密にコンタクトを取りながら、子ども達の授業の様子、またホストとの生活について現状を把握することが主なChaperoneの仕事でした。
当初子どもたちの英語力は、意思疎通ができるほどではなかったにもかかわらず、頑張ってコミュニケーションを取っている子が多かったのには、驚かされた。
私はアメリカと日本の違いや生活様式の違いについて出発前に指導はしていたけど、基本各自一人で自己解決してもらおう!と思っていました。だから私からホストファミリーと子ども達の間を頻繁に通訳したりはしなかったな。
当然、子供達からのSOSがあった時は、すぐにいつでも対応できるようにしていました。
「ホームシック」になるような子たちもなかった。親御さんたちには前もって、電話をしてもらうことを控えるようにしてもらっていました。他のグループには、ホームシックにかかった子達がいました。彼らから事情を聞くと、親が心配で頻繁に連絡をしたことから子どもがホームシックになった様子。親の子離れができていないのも影響しているな、と思った。
滞在期間中、日本語に触れる機会の少なかった子どもは、3週間という短期間だったにもかかわらず、簡単な会話でホストやルームメイトと英語でやりたりができるようになっていた。
よく海外語学短期留学について、費用対効果が低いとか、英語習得は無意味、観光で十分など、あまりいい話を聞かない。
「海外で生活したら話せるようになる」と思っている人は、ちょっと考え直したほうがいいかも。短期間の滞在でも十分英語が話せるようになることは可能ですが、要はその目的達成方法です。
参加した子供達が英語をペラペラと話せるようになるまで確認することはできなかった。でも、親元を離れて一人で海外生活した経験は、英語習得以上の成果と言えるでしょう。
帰国後、子ども達自身の英語を学ぶ姿勢がむちゃくちゃ変わり、ものすごくやる気が高くなっていた。
そんな子達の出発前と帰国後の様子を見て、「お〜」と一回りも、二まわりも大きく見えたものでした。
参加した子ども達とみんなでパーティーを催して集合した時に、親達から「参加させてよかった」と言ってもらえたのが、嬉しかったな。
事故なく、無事に帰国できたのは本当に感謝なのだが、海外留学には良い話ばかりではないことも、伝えるべきでしょう。
私の生徒で地元の学校が主催する留学プログラムに参加した時の話を聞いた時は、「悲惨!」の一言だったな。
その生徒からのSOSに、ホストファミリーや引率者、学校側が誰もしっかりと対応ができなかったために、その子は滞在中ずーと、惨めな生活を送っていたことをレッスン中、涙ながらに語ってくれた。
地元の公立学校に通うホームステイプログラム(表向きしっかりした内容)でも、その子の体験話を聞くと「留学ビジネス」がプンプンするほど臭っていた。でもその辛い経験から、その生徒はすごくたくましくなったような気がしたな。
「可愛い子には旅をさせろ」と言いますね。
全く本当にその通りだと思う。
安田 英承
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