英会話ができるようなるために、子どもにどんなことをさせたらいいの?、という質問をよく受けます。
この質問に対する答えの前に、年齢をある程度考慮すること、そして子どもの可能性を信じるために、年齢や能力について自分の先入観を捨てることです。
そして、子どもができること、興味をもっていることには何でも機会を与えることです。
子どもが言語を習得するのに、万国共通どの言語も以下のステップを踏みます。
- 英語を聞く
- 英語を話す
- 英語を読む
- 英語を書く
- 英語の文法を理解する
そこで前回、#1の英語を聞くことについてお伝えしました。
今回は上記#2の「英語を話す」ことについて。
#2:英語を話す
何を英語で話すか。
親として、幼児がどんな英語を話すことを期待していますか?
ペラペラと流暢に話すことでしょうか?親と簡単な会話ができるぐらいの内容でしょうか?どれくらい話せるといいでしょう?
一般論として、知っておいたほうがいいことは、英語に接する頻度とその英語量によって、英語を話し始める時期と話す内容が異なります。
日本の一般的家庭の親と子の関係において、こどもが生まれてからずーと日本語で語りかけていたと思います。
絶えず言葉がけを自然にしていたので、3歳ぐらいから話し始めたはず。話し始めることが遅くても、話しかけられている内容は聞き取れて、理解できていたことでしょう。
母国語が英語でも、どの国の言葉の場合も同じです。
子どもの住む環境が主に日本語なら、日本語を使って会話をすることが主となり、自然と英語を聞いて理解し、話せるようにはなりません。
こどもでも、第2言語としての英語が自然と話せるようにはなりません。
また、子どもの住む環境が主に英語の場合、英語を使って会話をするので、自然と日本語ができるようになることはありえません。
私の家族の場合を例にお話しします。
子どもは生まれてからずっと英語の環境が主でした。親と子の会話も英語、こどもが目にするもの、例えば、DVD、本などなど、ほとんどが英語でした。
そして保育園に通うことになり、子どもは当初戸惑っていたようでした。私たち親としても心配でした。なぜなら言葉を介したコミュニケーションで苦労するのではと、推測できたからです。今まで聞いていた言葉が違うし、話すことが英語になっていたのです。やはり、入園当初は、保母さんや周りの子たちとの遊びも、子どもの言っていることがよくわからなったようです。父親である私自身でさえも、こどもの話す喃語と英語が混じっていた言葉で、何を言っているのか全然わからなった。だから子どもがなんか一生懸命に私に語りかけているときは、とにかくこちらも一生懸命聞くことに専念して、「あなたの話そうとしていることを理解しているよ」と私から示していました。
そんな子どもも保育園に慣れ始めた時期というのは、先に述べた、「英語に接する頻度とその英語量によって、英語を話し始める時期と話す内容が異なる」ように、日本語に接する頻度と日本語量が増えたので、日本語を少しずつ理解し、話し始めました。悪い言葉も含めて・・・・(笑)。
4歳から5歳ぐらいになると、日本語に興味を持ち始め、私によく「XXXXは日本語でなに?」と質問してきました。いままでの知識の英語を再確認したかったのかな?そして、日本語と英語が世の中にあること。またその違いが分かり始めていました。なぜなら通っていた保育園に英語のクラスがあり、周りの子からも子どもに日本語で質問されていたようです。
そんな環境の保育園で長時間毎日過ごし、自宅へ帰っても、子どもは英語モードにある瞬間から切り替わるようです。でもその英語モードになる時間がだんだん短くなっていきました。そんなときでも、親として積極的に、「English, please.」と根気が必要でした。なぜなら、明らかに子どもの英語を話す量と頻度が減ってきていたからです。
それも年齢が増すごとに、日本語に接する時間と量が、自宅で過ごす時の英語の吸収する量が逆転していくことになります。
言語というのは、聞いたりするだけでは、ダメで、話すこと、使う作業が必要です。これは大人でも同じです。インプットの作業だけではだめなのです。アウトプットもして英語を話せるようになります。
先ほどの例のように、日常的に接する日本語の量と頻度が、英語の量と頻度を超えた時、幼児は日本語を主として生活するようになります。
もし英語を主とするプリスクールやキンダーに通っている日本人の子どもの場合は、英語を主として生活するようになります。自宅では、日本語の環境ですね。
ここで注意。キンダーを卒業した児童や帰国子女の子どもでも、日本語の環境になると次第に日本語で生活することになり、英語を使う頻度とその量が伴わないとあっという間に英語は話せなくなります。(帰国時の年齢や英語に接している年齢により異なります)
つまり、日本語の環境の中で英語を使って話すことは、大変な能力と環境をつくることが親と子に必要となります。
改めて質問です。
親として、幼児がどんな英語を話すことを期待していますか?
ペラペラ話すことでしょうか?親と簡単な会話ができるぐらいの内容でしょうか?
親の期待というものは、子によって異なります。英語を話せるようになることに対する期待も異なりますが、まず親としての努力と貢献する能力、そして覚悟をすることにより、期待する結果が達成されるものでしょう。
では、何をしたらいいの?
できる限り幼児期の子どもには、英語の環境を提供し、英語を話すことに興味をもってもらうこと、そして普段聞いている英語を、自然と真似をすることになります。
それも自分でたのしみながら。
身の回りの物や食べものなど、なんでもよいし、普段の生活で日常子どもが行うこと、「手を洗う」、「トイレに行く」、「片付ける」などの表現を真似して、それを増やして、それらが自然に言えるといいですね。そしてこどもからも英語で質問ができると忘れにくくなります。その質問に親として答えられるかどうかが問題ですが、それは、また別の機会に。
では、小学生を持つ親として、自分の子が話す英語はどんなことを期待していますか?
幼児期のこどもに比べて能力があがっているので、できることは本当にたくさんありますよ。
子どもでも大人でも、英会話の学習は基本一緒ですが、興味のあることを通じて英語に接する頻度と量を増やし、その英語を考えて使う頻度とその英語量に集中することでだれでも英語はできます。
でもほとんどの親は挫折します。大人でも挫折してしまいます。こどもも同じです。大人も子どもでも、あっという間に忘れてしまうし、環境の影響が大きい。外的影響が大きいからです。だから継続すること。
できることから少しずつやっていきましょう!
Let’s get moving!
安田 英承
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