名古屋ではなく、東京で無痛分娩:epidural

他いろいろ
硬膜外無痛分娩:腰のあたりから麻酔用の針をして麻酔を注射していきます。男として我慢できるか!?

妊娠がわかった時、男として夫として自分が出産するわけではないけど、出産に対する興奮と不安の気持ちが今でも思い出すことができる、セシルの安田です。

もし仮に男が出産を経験すると、あまりの痛さに死んでしまうと言いますね。本当かどうか誰にもわからないけど、陣痛を英語で「labor」と言います。「労働」とか「骨折り」みたいな意味もあります。とにかく大変な労力を女性は出産時に必要とされます。

痛いのは嫌でしょ?できるなら避けたい。虫歯の治療中、麻酔なしで痛みに堪えられる自信は私にはありません。だから治療中に痛みを和らげるために、「選択」が与えられていて、当然だと思う。

でも、こと「出産」となると、「産みの苦しみ」とか「痛みを我慢することが母親として当然」みたいな考え方が未だに日本の男性にも女性にもあるようです。

硬膜外無痛分娩:腰のあたりから麻酔用の針をして麻酔を注射していきます。男として我慢できるか!?

硬膜外無痛分娩:腰のあたりから麻酔用の針をして麻酔を注射していきます。男として我慢できるか!?

 

今回は、「無痛分娩」について。英語で「epidural」といえば、通じます。

妻と出産方法について話をしていると、「無痛分娩」というものがあるのを初めて聞きました。

私は「自然分娩」という表現が正しいのかどうかわかりませんが、日本のテレビの出産シーンとかで、妊婦がもがき苦しんでいる様子しか見たことがないので、当初、その言葉にびっくりした。出産は苦しむのが当然だと思っていた。

そして、無痛分娩は、背中から太い針を刺して麻酔をするというではないですか!?「そんな危険なことをするのか!赤ちゃんに針が刺さったり、出産後に赤ちゃんへの悪影響はないのか!」「変なところに注射針が入って、妻が下半身付随にでもなるのでは!」と心配で不安に思ったものです。

無知ですね〜、今思えば。恥ずかしい!だって、虫歯の治療の痛み緩和のための麻酔と出産時の麻酔が結びつかなかったんです。

すると、アメリカでは「無痛分娩は一般的な選択肢の一つ」ということを教えてもらいました。

「日本人の産みの苦しみ」とか、「出産はこうあるべき」みたいな考え方を知っていても、理解に苦しんでいましたね。なぜ痛みにわざわざ我慢するのか?、と。

また、「出産のリスク」はどんな手段でもありうること。だって、へその緒が赤ちゃんの首に巻かれていたり、逆子であれば、緊急手術が必要です。これも母子の安全確保のための出産の一つの選択です。

そこで、私自身がもっと無痛分娩について理解するためにも、名古屋で「無痛分娩」ができる医療機関を探すことになりました。

それも「24時間体制でアメリカの医療体制と同じような病院」のところを。

まずは、「名古屋市役所」に電話をして、無痛分娩をする医療機関を紹介してくれないか相談したけど、そのような資料がないとのこと。でも、名古屋で出産できる医療機関を紹介してもらえるかもということで、愛知県の産婦人科協会(?)の連絡先をいただいた。

早速電話してみると、電話口で対応した人は、

「どうして麻酔するの?」、「自然(分娩)でいいのでは?」みたいな質問ばかりで、結局、名古屋で24時間体制の無痛分娩をしている病院がないことがわかるまで、30分も話すことに。

どうも、日本の産婦人科のドクターたちやその関係者でさえも、出産時に麻酔をするという文化や考え方自体がなく、または、医療システムが確立できていないことがわかり、日本は遅れているな、と思ったのと、ちょっと呆れた。

他、自分なりに出産について調べていくと、アメリカでは無痛分娩を選択する妊婦が多いこと。なぜなら母体の負担が軽く、退院が早くできます。それによって、医療費の負担が軽減できるのです。一般的にアメリカでは、保険がないと100万円以上(日本のように補助はありません)となり、帝王切開が必要であれば、その倍、200万以上かかることに。入院日数がかかればかかるほど費用がかなりかさみます。日本のように産後を優雅に1週間近く入院して、血糖値が上がるようなデザート(母体に危険性大!)を支給するような病院は全然一般的ではない。

そして女性はすぐに仕事に復帰ができることを望んでいるそうです。

ただし、あまりにも早い退院は赤ちゃんにとって好ましいものではないと、アメリカ人の友人で小児科のドクターが警告していました。

また、無痛分娩でも、痛みを伴って難産だった経験をした人もいます。

ちなみに、お隣の中国では帝王切開が比較的主流だそうです。おそらく日付による占いや迷信で出産日を決める妊婦が多いことを知りました。

また、日本の出産に関して調べたり、日本の知人に経験談を聞きました。

一つは、「高齢出産」という言葉。そんな英語はないし、妊婦に失礼だ!と妻が怒っていたのを覚えています。確かに差別用語だなと思う。

また、二人目の子供を無痛分娩の経験をした多くの日本人の知人は、一人目の自然出産を後悔していました。「なんで(無痛)選ばなかったんだろう?」と。

また、一人目は帝王切開だったから、どうしても二人目は自然分娩を強く希望していた知人がいました。ほとんどの医者から自然分娩のリスクが高いからという理由で断られていましたが、なんとか一人見つけて、無事出産できました。でも、その彼女も「もう二度と(自然で)しない」と言っていました。

日本って、出産に関してものすごい固定観念があるな〜と思った。

結局、先の産婦人科協会の情報も役に立たなかったため、仕事の合間に、名古屋中心に通える範囲で、出産できる病院全てに電話しました。そして、24時間体制の無痛分娩ができるか確認しましたが、結果一つもありませんでした。

そこで名古屋から遠いですが、「東京」での出産が私たち夫婦の選択肢となりました。

「ご縁」とはありがたいもので、亡くなった義理の母が、東京で婦長をしていた「東京衛生病院」で出産することに決めました。

アドベンチスト東京衛生病院

アドベンチスト東京衛生病院

 

当時勤めていた時のスタッフの方はほとんど退職されていましたが、母つながりで現役の方たちのご好意、またこの病院の無痛分娩の実績など申し分なく、そして24時間体制で、アメリカの医療とほとんど変わらない環境を提供していたことが、私たちのニーズに合い大きな決め手となりました。

出産までの間、これまたご縁で、妻は東京の友人宅へ居候させてもらうことになり、出産のための出費はかなり抑えられました。私はというと、車で何往復も名古屋から東京を行き来したことで、高速料金とガソリン代はかかりましたが、なんとか無事出産を終えました。

感謝・感謝です。

出産に立ち会いましたが、「ポン!」と、あっという間に子供が生まれたのが印象的でした。陣痛からくるもがき苦しむイメージとは、全然違ったいました。出産後二日後には妻は、もう暇だから帰ろう、と担当医師に相談しましたが、赤ちゃんに黄疸が出たのでしばらく継続入院することになりました。それぐらい余裕で、出産による母体の影響はなかったようです。

そんな無痛分娩の話を紹介した名古屋の知人は、早速、出産までホテル住まいまでしてその病院で無事出産してきました。

 

出産に対する人の価値観や固定観念って本当に面白いなと思った。それに誰でも出産って不安ですよ。無事に赤ちゃんが生まれ、母体とも安全だろうか!?って。

でも、夫婦で出産のことを十分勉強して、納得いく出産方法を決めて、一緒にその場を経験できるのもいいものだと思った。情報収集する過程で、出産時に起こりうるであろうどんなリスクでも受けて止める覚悟は出産時までにすでにありましたよ。

成長する子どもを見て、出産も大変なことだけど、子供を育てるのはもっと大変で覚悟が必要なのは言うまでもないな。

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安田 英承

1970年、日本国生まれ。「セシル」代表。英会話スクール、留学斡旋、翻訳・通訳業務、日本語教室運営を名古屋中心に行っている。韓国人と日本人のハーフで、妻はアメリカ人。1児の父。ハーレーとアメ車好き。 別アカTwitterで「ハーレー英会話」してます。

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