Gon, the little fox：『ごんぎつね』を読んで毎回泣く

愛知県半田市出身の作家の新美南吉が１８歳に書いたと言われている『ごんぎつね』。

大学では英文科に進むも、３０歳の若さで病死。

天才はいつの時代も早死にするのでしょうか。

この物語は小学４年生の国語の教科書に掲載されていて、誰もが一度は読んだことがあるお話です。

いたずら好きなでひとりぼっちの狐のごんが、兵十の母親の死を境にいままでのいたずらから兵十に心を寄せて目覚めていきます。優しくなって償っていく過程で、ごんが死に。

ごんのしたことは因果応報などの小学生の意見もあるようです。

半田市にこんな狐が生息しているのかな

英会話ができるようになってみたい子どもから社会人までサポートしている、セシル英会話の安田です。

ごんが兵十の猟銃で撃ち殺されたシーンで、兵十のセリフが原文と学校の教科書とは違うのです。

「ごん、おまえだったのか。いつも、栗をくれたのは」と問いかける兵十に、ごんは目を閉じたまま、

原作では、  ”うれしくなりました”　となっていますが、

教科書では、”うなずきました” になっているのです。

知りませんでした。

原作と変えている理由は、子どもたちにごんの感情を読みとらせる課題を授業中に与える指導にあるようです。

登場人物への感情移入ができると、道徳教育としての役割もこの物語にはあります。

ある小学生は、この物語を読むたび毎に、目をウルウルしてティッシュを片手にしながら音読をしていました。

学校の授業でごん狐の課題が終わった頃、その子はこの話を嫌いになってしまいました。

このなんともやりきれないエンディングが理由でした。

では、兵十がごんを射殺したとき、兵十はどんな気持ちだったかを説明、分析できても、兵十の

「ごん、おまえだったのか。いつも、栗をくれたのは」

と感情移入して読める小学生は案外少ないといいます。参照：『髙橋史朗 3 – 道徳教育が「育くんでこなかったもの」とは』より。

人の感情を読み解くトレーニングに、物語を利用して登場人物へ感情移入し、それがまるで自分のことのように解釈することができるようになると、人の実際のコミュニケーションでも応用できるようになる手助けになるんだろう。

登場人物の感情を説明できる能力があり、それ以上に相手の気持ちを感じることができるようになる教育って大切だと思う。

目の前で泣いている人に向かって、その人の気持を説明しても火に油を注ぐだけ。でも同じ説明でも相手への感情がこもっていれば、泣いている相手も同情されていると思い、本当に慰められていると感じるものです。

良い本を読むと、学べることが多い例の１つが『ごんぎつね』だと、この歳になって知りました。

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安田　英承

代表 ： セシル（CECIL）

１９７０年、日本国生まれ。「セシル」代表。英会話スクール、留学斡旋、翻訳・通訳業務、日本語教室運営を名古屋中心に行っている。韓国人と日本人のハーフで、妻はアメリカ人。１児の父。ハーレーとアメ車好き。 別アカTwitterで「ハーレー英会話」してます。

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